浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0010A01: | た(當)りにたちよりて。もしさる人やとたづぬれば。 |
Z08_0010A02: | (三六)その僧は〻や。こぞのこのごろにして侍りしや |
Z08_0010A03: | らん。めでたく往生し給ひにき。(三七)その〻ちはけし |
Z08_0010A04: | かるあま(尼)の。ひとり出いるが。けふしもたがひて侍 |
Z08_0010A05: | にやとかたる。(三八)さだめなき世はさる事なれど |
Z08_0010A06: | も。(三九)今さら(更)あはれにおぼえて。一佛淨土も |
Z08_0010A07: | いと▲いそがる〻心ちすれば。(四〇)むかしのなご |
Z08_0010A08: | りは。花のうへにてもわすれじ物を。(四一)各留半座 |
Z08_0010A09: | 乘花葉。わがためにもぞのこすらん。待我閻浮同行 |
Z08_0010A10: | 人。その人かずにもれじかしと。たのもしくおぼえて。 |
Z08_0010A11: | (四二)臨終のありさまなンど。くはしくかたら(談)ふ程 |
Z08_0010A12: | (時)に。おぼえずして時うつ(遷)りにけり。(四三)とみ |
Z08_0010A13: | (外見)れば日もやう〱入なんとす。立かへらんみち |
Z08_0010A14: | もはるかなれば。いか▲はせましとおもひわづらふ |
Z08_0010A15: | に。(四四)さても(四五)けふは。彌陀感應の日なり。 |
Z08_0010A16: | (四六)たま〱又(四七)利物偏增のみぎり(砌)にちか |
Z08_0010A17: | し。(四八)事のついでなるは。傍源語心やましけれども。 |
Z08_0010A18: | 傍源語(四九)をろかならぬ心ざしは。傍源語佛しり給ひな |
Z08_0010A19: | んとおもひて。(五〇)その夜は。眞如堂にまうで〻通 |
Z08_0010A20: | 夜し侍りぬ。(五一)夜さしふけ。人うちしづまる程に |
Z08_0010B01: | なりにしかば。(五二)靑嵐のきをはらふひ▲き。をのづ |
Z08_0010B02: | から念佛衆生のこゑをそへ。皓月いらかをてらすか |
Z08_0010B03: | げ。そら(暗)に攝取不捨のひかりをます。(五三)心す |
Z08_0010B04: | ごさもかぎりなきに。みちのくたびれとりそへて。 |
Z08_0010B05: | (五四)しづかに念佛するとおもふ程に。さ(更)ながら |
Z08_0010B06: | ねぶりにけり。(五五)されども。たびねのとこ(床)う |
Z08_0010B07: | ちとげ(遂)がたく。(五六)おいの枕。おどろきやすけ |
Z08_0010B08: | れば。(五七)程なくねざめてきけば。いつの程よりか。 |
Z08_0010B09: | まうでにけむ。僧二人なつかしく。ゐよ(居寄)りて。う |
Z08_0010B10: | ちかた(談)らふをとすなり。(五八)一人はしきりにう |
Z08_0010B11: | ちしはぶき(欬嗽)たるこゑ。いとおい(最老)たり。を |
Z08_0010B12: | のれからも。よ(世)にたうとく思いれたる所。さぞ。ふ |
Z08_0010B13: | か〻らむと見えたり。ちかくこのあたり(當)よりまう |
Z08_0010B14: | でたる人なるべし。(五九)いまひとりは。初發心のも |
Z08_0010B15: | のなンめり。いづくよりの修行者にかあらむとおぼ |
Z08_0010B16: | ゆ。(六〇)ねぶりにけるま(間)に。何事をか。かたり |
Z08_0010B17: | けむと。ゆかしくき〻たれば。(六一)修行者のいはく。 |
Z08_0010B18: | 本師一代の諸敎は。機根の萬差に逗ずれども。(六二) |
Z08_0010B19: | 末法萬年の利益は。念佛の一門にかぎれりといふ事。 |
Z08_0010B20: | みなうけたまはりお(イを)よぶ所なり。(六三)しかは |