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Z0370 帰命本願鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0010A01: た(當)りにたちよりて。もしさる人やとたづぬれば。
Z08_0010A02: (三六)その僧は〻や。こぞのこのごろにして侍りしや
Z08_0010A03: らん。めでたく往生し給ひにき。(三七)その〻ちはけし
Z08_0010A04: かるあま(尼)の。ひとり出いるが。けふしもたがひて(ハンベル)
Z08_0010A05: にやとかたる。(三八)さだめなき世はさる事なれど
Z08_0010A06: も。(三九)今さら(更)あはれにおぼえて。一佛淨土も
Z08_0010A07: いと▲いそがる〻心ちすれば。(四〇)むかしのなご
Z08_0010A08: りは。花のうへにてもわすれじ物を。(四一)各留半座
Z08_0010A09: 乘花葉。わがためにもぞのこすらん。待我閻浮同行
Z08_0010A10: 人。その人かずにもれじかしと。たのもしくおぼえて。
Z08_0010A11: (四二)臨終のありさまなど。くはしくかたら(談)ふ程
Z08_0010A12: (時)に。おぼえずして時うつ(遷)りにけり。(四三)とみ
Z08_0010A13: (外見)れば日もやう〱入なんとす。立かへらんみち
Z08_0010A14: もはるかなれば。いか▲はせましとおもひわづらふ
Z08_0010A15: に。(四四)さても(四五)けふは。彌陀感應の日なり。
Z08_0010A16: (四六)たま〱又(四七)利物偏增のみぎり(砌)にちか
Z08_0010A17: し。(四八)事のついでなるは。源語心やましけれども。
Z08_0010A18: 源語(四九)をろかならぬ心ざしは。源語佛しり給ひな
Z08_0010A19: んとおもひて。(五〇)その夜は。眞如堂にまうで〻通
Z08_0010A20: 夜し侍りぬ。(五一)夜さしふけ。人うちしづまる程に
Z08_0010B01: なりにしかば。(五二)靑嵐のきをはらふひ▲き。をのづ
Z08_0010B02: から念佛衆生のこゑをそへ。皓月いらかをてらすか
Z08_0010B03: げ。そら(暗)に攝取不捨のひかりをます。(五三)心す
Z08_0010B04: ごさもかぎりなきに。みちのくたびれとりそへて。
Z08_0010B05: (五四)しづかに念佛するとおもふ程に。さ(更)ながら
Z08_0010B06: ねぶりにけり。(五五)されども。たびねのとこ(床)う
Z08_0010B07: ちとげ(遂)がたく。(五六)おいの枕。おどろきやすけ
Z08_0010B08: れば。(五七)程なくねざめてきけば。いつの程よりか。
Z08_0010B09: まうでにけむ。僧二人なつかしく。ゐよ(居寄)りて。う
Z08_0010B10: ちかた(談)らふをとすなり。(五八)一人はしきりにう
Z08_0010B11: ちしはぶき(欬嗽)たるこゑ。いとおい(最老)たり。を
Z08_0010B12: のれからも。よ(世)にたうとく思いれたる所。さぞ。ふ
Z08_0010B13: か〻らむと見えたり。ちかくこのあたり(當)よりまう
Z08_0010B14: でたる人なるべし。(五九)いまひとりは。初發心のも
Z08_0010B15: のなめり。いづくよりの修行者にかあらむとおぼ
Z08_0010B16: ゆ。(六〇)ねぶりにけるま(間)に。何事をか。かたり
Z08_0010B17: けむと。ゆかしくき〻たれば。(六一)修行者のいはく。
Z08_0010B18: 本師一代の諸敎は。機根の萬差に逗ずれども。(六二)
Z08_0010B19: 末法萬年の利益は。念佛の一門にかぎれりといふ事。
Z08_0010B20: みなうけたまはりお(を)よぶ所なり。(六三)しかは

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