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Z0370 帰命本願鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0009A01: 歸命本願鈔上本諺註
Z08_0009A02: 夫れ(一)八萬隨情の敎門は。みな苦海をわたる法船な
Z08_0009A03: りといへども。(二)六八超世の本願のみ。ひとりよく常
Z08_0009A04: 沒をすくふ敎網たり。(三)是すなはち本師彌陀。五劫思
Z08_0009A05: 惟の善巧。(四)末世の衆生。九品往生の方便なるものを
Z08_0009A06: や(者哉)。(五)しかあれば。(六)四重八重のともがら。こ
Z08_0009A07: とごとく報佛化佛の來迎にあづかり。(七)一稱一念の
Z08_0009A08: たぐひ。おなじく無漏無生の寶國にいたる。(八)このゆ
Z08_0009A09: へに。光明大師。震旦にあら(現)はれて。このお(を)
Z08_0009A10: もむきをす〻め。(九)黑谷の上人。我朝にいで〻。この
Z08_0009A11: むねをひろめ給ひしよりこのかた。(十)(ケウ)をうか▲ひ
Z08_0009A12: (ギヤウ)をもとむるもの()(エン)にみ(滿)ち。(一一)穢をいとひ。
Z08_0009A13: 淨をねがふやから。一天にあまねくして。(一二)世の
Z08_0009A14: ならはし。人のことわざになりしかば。(一三)大かた
Z08_0009A15: ことはりまでは。我も人もみ〻なれたる事ぞかし。
Z08_0009A16: (一四)されども安心起行のありさまなど。こまやか
Z08_0009A17: にたづねうか▲はんとすれば。(一五)諸方の智者たち。
Z08_0009A18: そのお(を)しへまち〱(區々)にして。(一六)往
Z08_0009A19: 生の(ケイ)()。ひとかたにおもひさだめがたし。(一七)こ
Z08_0009B01: のなかに。いづれかまさしき法然上人のす〻め給ひ
Z08_0009B02: けんお(を)もむきならんと。おぼつかなけれども。面
Z08_0009B03: 面にわれこそ黑谷の遺風なれと稱し。(一八)これな
Z08_0009B04: ん。吉水の餘流なりと號すれば。(一九)あまねくとふ
Z08_0009B05: らふにしたがひて。いとどをろかなる心まよひぬべ
Z08_0009B06: し。(二〇)さのみよも。上人のをしへの。まち〱な
Z08_0009B07: りしにはあらじ。(二一)いかにも。(二二)()()の今案
Z08_0009B08: のみだりがはしきならんと。をしはか(推量)られた
Z08_0009B09: り。(二三)さればいか▲して。相傳の正否をもあきら
Z08_0009B10: め(明)。法門の是非をもた▲(糺)さましなど。(二四)
Z08_0009B11: さま〲おもひわづらひたるにも。あはれ。(二五)心
Z08_0009B12: あらん人もがな。(二六)なげきあはせまほしきに。ま
Z08_0009B13: ことやそのいにしへ。(二七)北白河のわたり(徑處)に
Z08_0009B14: すみ侍りしころ。(二八)わりなく(無別)おもひいれ
Z08_0009B15: たる(ドウ)(ボウ)のありしぞかし。(二九)對面などもかきた
Z08_0009B16: えて。おもひわすれにける。(三〇)ゆくゑいか▲なり
Z08_0009B17: ぬらんとおぼつかなくて。(三一)たづねきく程に。(三二)
Z08_0009B18: ほのかに。そのすみかなめりと(ナンメリトヨムヘシ)おぼゆる
Z08_0009B19: 所はあれども。(三三)見しにもあらずあれて。(三四)庭
Z08_0009B20: のけしきもあとかすか(跡幽)なり。(三五)ちかきあ

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