浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0440A01: | 藉して。京師に遊學し。快琳上人に就て。唯識を研 |
J18_0440A02: | 究す。師の德風に歸して。勝尾にのぼり。入門し |
J18_0440A03: | て。名を德圓と改む。あるひ。師に問まをさく。師 |
J18_0440A04: | は常に一枚起請を凖繩とし給ふに。などか拜服名號 |
J18_0440A05: | を人にあたへて。現益を施し玉ふと申ければ。汝。 |
J18_0440A06: | 大悲門をしらずやと答給ひしとぞ。或時。七日の別 |
J18_0440A07: | 業を修しける間に思定る事ありて。いまより市朝の |
J18_0440A08: | 路を踏じとて。初山城の古知谷に籠。のちに阿州に |
J18_0440A09: | 移り。壁が嶽にて。修行する事數十年なり。曾て。 |
J18_0440A10: | 弟子に示して曰。我師の碩德。和漢の高僧にも恥給 |
J18_0440A11: | はず。王侯大臣の歸敬。あたかも元祖大師の御あと |
J18_0440A12: | に似たり。竊におもふ。これかならず。禮拜の功德 |
J18_0440A13: | ならん。口稱念佛の禮拜は。三業具足して。往生の |
J18_0440A14: | 正因たるはもとより。現在には無始の業障を滅し利 |
J18_0440A15: | 他の門をひらく。二三子。つとめて禮拜の功を積と |
J18_0440A16: | て。みづからも常常。禮拜をつとめて。衰老に及べ |
J18_0440A17: | ども。日夜おこたりなく。をりをり百日に百萬禮を |
J18_0440B18: | 勤修せられたり。天保十三寅年。九月二日。入寂 |
J18_0440B19: | す。廣蓮社剛譽と號す。 |
J18_0440B20: | |
J18_0440B21: | 三州荒井山九品院德住和尚 |
J18_0440B22: | 和尚は。三州大濱の産なり。初三縁山に修學す。後 |
J18_0440B23: | に中山道。本庄宿の圓信寺に住す。師の信州攝化の |
J18_0440B24: | 時。法服どもかいつくろひて。迎奉り。初て師に謁 |
J18_0440B25: | するに。師は衣鉢飄然として。おのづからの威儀を |
J18_0440B26: | 具し給へるさま。富嶽の素雪。衆峰の翠に秀るが如 |
J18_0440B27: | くなるに。赧然として省する事あり。ただちに彩衣 |
J18_0440B28: | を改て。弟子の列に入けり。此時名を德住と賜ふ。 |
J18_0440B29: | 一を以て貫けといへる御歌を。玉はりけるを。深く |
J18_0440B30: | 肝に銘じたりとて。終身この言葉を仰ぎたりき。さ |
J18_0440B31: | ればただちに信州の攝化にも。隨逐して。勵聲念佛 |
J18_0440B32: | おこたりなかりき。天保十一子年。十一月進具せ |
J18_0440B33: | り。法隆寺叡辨和上證明す。後に信州唐澤に閑居し |
J18_0440B34: | て。千日の別行をつとむ。功積德累たるは。固さる |