浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0439A01: | 泊然して逝す。得蓮社才譽と號す。 |
J18_0439A02: | |
J18_0439A03: | 江戸淺草稱往院德因和尚 |
J18_0439A04: | 和尚は。駿州の産なり。幼にして。同所善龍寺にお |
J18_0439A05: | いて出家し。增上寺に籍して。修學年を積り。後に |
J18_0439A06: | 丹後國。田邊町無常院に住す。師の勝尾寺に攝化し |
J18_0439A07: | 玉ふころ。月月丹州より通ひて。留錫して。隨喜念 |
J18_0439A08: | 佛す。ある極月の末に。年も暮侍れば。一まづ丹後 |
J18_0439A09: | へ歸りなんとて。師にいとま申たるに。師の給は |
J18_0439A10: | く。出家は三界に家なし。歸るとはいづれにかへる |
J18_0439A11: | ぞとのたまひしを聞て。豁然として。心地定り。寺 |
J18_0439A12: | へも歸らず入門して。弟子の列に加りしかば。德因 |
J18_0439A13: | とは名づけ給へり。かくて。文政七申年。神奈川の |
J18_0439A14: | 觀福寺において。千日別行を發願す。あくる酉の年 |
J18_0439A15: | に。武州辰沼の龍巖寺へ移錫し。其翌年。この寺の |
J18_0439A16: | 堂舍建立落成し。千日の別行を滿ず。同十二年の |
J18_0439A17: | 秋。南都法隆寺。叡辨和上の室に入。登壇受戒し。 |
J18_0439B18: | 天保元年の春。淺草稱往院へ移住す。抑この稱往。 |
J18_0439B19: | 龍巖の兩寺は。もとより尋常の官刹なるを。和尚移 |
J18_0439B20: | 錫の後に。錄所に白して。捨世念佛の道塲とはなし |
J18_0439B21: | ぬ。天保二年。秋のころ。はげしき病にかかり。起 |
J18_0439B22: | べからざるをしり。高足の弟子稱瑞へ。遺言などし |
J18_0439B23: | てけり。其ころ。誰ともしらざる人の。德本行者を |
J18_0439B24: | 荼毘したる。御舍利也とて。水晶の壺に入て持來れ |
J18_0439B25: | り。其つぼより。一縷の烟立よと見えしに。頓て。 |
J18_0439B26: | 師の御姿あらはれて。汝が病は全快すべきぞと。つ |
J18_0439B27: | げ給ふとおもへば。夢覺ぬ。それより病縁。快方に |
J18_0439B28: | 趣きたりとぞ。天保八丙年。十一月廿九日。念佛の |
J18_0439B29: | 聲とともに往生す。多賀明神の感應。神奈川觀福寺 |
J18_0439B30: | の觀音の靈應などの事。別記に出すべければ。いま |
J18_0439B31: | ははぶきぬ。本蓮社習譽と稱す。 |
J18_0439B32: | |
J18_0439B33: | 阿州壁嶽德圓和尚 |
J18_0439B34: | 和尚は。いづれの所の人なるを詳にせず。增上寺に |