浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J18_0437A01: | のみづから縫てあたへられき。さればこの和尚は。 |
J18_0437A02: | 終身。師を眞の釋迦牟尼佛とぞ仰奉ける。勝尾寺に |
J18_0437A03: | て。食堂の給仕つとめける頃は。日日垢離をとり |
J18_0437A04: | て。辨じける。さまざまの感應ありつれども。別記 |
J18_0437A05: | にゆづりて。例の略しつ。天保二年。二月朔日。命 |
J18_0437A06: | 終す。佛蓮社願譽と稱す。 |
J18_0437A07: | |
J18_0437A08: | 藝州甲立本勵和尚 |
J18_0437A09: | 和尚。號は花光。丹後國。中郡。峯山園田氏の産な |
J18_0437A10: | り。文化六年。四月十日。家を出。播州書寫山。如 |
J18_0437A11: | 意輪寺にて。みづから落髮して。良師にあふ事を觀 |
J18_0437A12: | 世音へ祈求せらる。其ころ。師を活佛の如に人人申 |
J18_0437A13: | けるを聞て。紀州へゆかばやと。思たちけるに。今 |
J18_0437A14: | は攝州勝尾にましますよし。告る人有ければ。やが |
J18_0437A15: | て勝尾山にのぼり。師に謁して。弟子の列にいらん |
J18_0437A16: | 事を乞るるに。このころ。故ありて。入門の人を禁 |
J18_0437A17: | ぜられたりとて。所願を果すことあたはず。さらば |
J18_0437B18: | とて。坐禪石に坐し。或は瀧谷にこもりて。獨行念 |
J18_0437B19: | 佛す。このほとりは。毒蛇猛獸のおそれあるよしを |
J18_0437B20: | ききて。一圓相を畵して結界とす。かかる苦業策勵 |
J18_0437B21: | を。いつしか師の聞給ひて。名を本勵と賜て。始て |
J18_0437B22: | 弟子の列にぞ加へさせ給へり。和尚ある時。眼疾を |
J18_0437B23: | やみたるころ。夢に開山御作の。藥師如來を感見 |
J18_0437B24: | す。和尚如來に向奉りて。眼疾は業障のなす所。い |
J18_0437B25: | かんともし難し。あはれ。願はくは。如來の大悲眼 |
J18_0437B26: | をもて。みみにかへ給はば。見佛の縁も。空しから |
J18_0437B27: | ざるをなど。歎けるに。いくほどなく。眼疾あとな |
J18_0437B28: | く癒て耳根いつしか不通に也にける。本尊の病をか |
J18_0437B29: | へ給ひしなるべしと。よろこばれけり。其後師は江戸 |
J18_0437B30: | の小石川一行院に。留錫したまひしころ。和尚はさる |
J18_0437B31: | べき因縁やありけむ。偶杖をうつして。難波の名蓮 |
J18_0437B32: | 社に來て別行つとめられき。或夜の夢に。大なる涅 |
J18_0437B33: | 槃像を拜す。其形世尊にはあらで。金色の僧の。頭 |
J18_0437B34: | 北面西に臥玉へるなりければ。覺て後。竊に師の入 |