浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0426A01: | 建曆二年正月二十三日 源空在判 |
J18_0426A02: | 右一枚起請文は。安心起行の鏡なりとて。師攝化の度ごとに。必誦せらるるを恒軌とし給ふ。ここをもていま卷首にかかげいだす |
J18_0426A03: | |
J18_0426A04: | |
J18_0426A05: | 德本行者法語 |
J18_0426A06: | 行者。いつも説法の會坐にて示し給はく。若六字を |
J18_0426A07: | かけば。即片輪念佛なれば。かたわ念佛にては。極 |
J18_0426A08: | 樂往生難ぞかし。今念佛の唱かたを敎んとて。師み |
J18_0426A09: | づから。南と授らるれば。衆もみな。南といふ。無 |
J18_0426A10: | と唱らるれば。衆も亦無ととなふ。阿彌陀佛の四字 |
J18_0426A11: | も皆同さまにをしへらる。次にあらためて。南無 |
J18_0426A12: | と。となへらる。衆また南無と和す。阿彌と唱らる |
J18_0426A13: | れば。衆もまた阿彌と稱ふ。陀佛もおなじさま也。 |
J18_0426A14: | それより後は。南無阿彌陀佛南無阿彌陀佛と。たしかに稱つ |
J18_0426A15: | らねて。鉦をうちて。衆とともに暫念佛し給へり。 |
J18_0426A16: | 又曰。六字をなまりがちにとなふるは。名號とはい |
J18_0426A17: | れぬなり。往生もならぬなり。娑婆の寶すら。贋の |
J18_0426B18: | 金銀は通用せぬを。まして無爲泥洹の國へ往生せん |
J18_0426B19: | に。なまりて似たるは通らぬぞかし。六字が一字か |
J18_0426B20: | けても。とほらぬと知べし。五劫思惟。兆載永劫を |
J18_0426B21: | 經て。萬善萬行具足の六字の名號なり。觀無量壽經 |
J18_0426B22: | に。具足十念。稱南無阿彌陀佛と説せ給たる。その |
J18_0426B23: | 具足とは。もののそろふたる事なり。されば一字か |
J18_0426B24: | けても不具足にあらずや。一念一佛を得るにて。六 |
J18_0426B25: | 字名號は。これ名體不離なり。佛にかたりの佛はあ |
J18_0426B26: | らざれば。六字分明なるが。一佛成就なり。それを |
J18_0426B27: | かけば。やがて佛體を損ずるになりぬべし 又曰。 |
J18_0426B28: | 我は良醫の病を知て藥を説が如し。服すと。服さざ |
J18_0426B29: | るとは醫のとがにあらずと。是は釋尊涅槃の夜の御 |
J18_0426B30: | 説法なり。念佛往生の法門も。亦復かくの如し。阿 |
J18_0426B31: | 彌陀佛は。法藏菩薩のむかし。十方衆生を一子の如 |
J18_0426B32: | くにあはれみ給ひ。十方諸佛の捨玉ひし重病人を。 |
J18_0426B33: | 我だにたすけずはいかがせむ。若たすけ得ずば。正 |
J18_0426B34: | 覺を取らじといへる願を發し給ふ。さても十方衆生 |