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J2750 徳本行者伝 行誡 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0426A01: 建曆二年正月二十三日 源空在判
J18_0426A02: 右一枚起請文は。安心起行の鏡なりとて。師攝化の度ごとに。必誦せらるるを恒軌とし給ふ。ここをもていま卷首にかかげいだす
J18_0426A03:
J18_0426A04:
J18_0426A05: 德本行者法語
J18_0426A06: 行者。いつも説法の會坐にて示し給はく。若六字を
J18_0426A07: かけば。即片輪念佛なれば。かたわ念佛にては。極
J18_0426A08: 樂往生難ぞかし。今念佛の唱かたを敎んとて。師み
J18_0426A09: づから。南と授らるれば。衆もみな。南といふ。無
J18_0426A10: と唱らるれば。衆も亦無ととなふ。阿彌陀佛の四字
J18_0426A11: も皆同さまにをしへらる。次にあらためて。南無
J18_0426A12: と。となへらる。衆また南無と和す。阿彌と唱らる
J18_0426A13: れば。衆もまた阿彌と稱ふ。陀佛もおなじさま也。
J18_0426A14: それより後は。南無阿彌陀佛南無阿彌陀佛と。たしかに稱つ
J18_0426A15: らねて。鉦をうちて。衆とともに暫念佛し給へり。
J18_0426A16: 又曰。六字をなまりがちにとなふるは。名號とはい
J18_0426A17: れぬなり。往生もならぬなり。娑婆の寶すら。贋の
J18_0426B18: 金銀は通用せぬを。まして無爲泥洹の國へ往生せん
J18_0426B19: に。なまりて似たるは通らぬぞかし。六字が一字か
J18_0426B20: けても。とほらぬと知べし。五劫思惟。兆載永劫を
J18_0426B21: 經て。萬善萬行具足の六字の名號なり。觀無量壽經
J18_0426B22: に。具足十念。稱南無阿彌陀佛と説せ給たる。その
J18_0426B23: 具足とは。もののそろふたる事なり。されば一字か
J18_0426B24: けても不具足にあらずや。一念一佛を得るにて。六
J18_0426B25: 字名號は。これ名體不離なり。佛にかたりの佛はあ
J18_0426B26: らざれば。六字分明なるが。一佛成就なり。それを
J18_0426B27: かけば。やがて佛體を損ずるになりぬべし 又曰。
J18_0426B28: 我は良醫の病を知て藥を説が如し。服すと。服さざ
J18_0426B29: るとは醫のとがにあらずと。是は釋尊涅槃の夜の御
J18_0426B30: 説法なり。念佛往生の法門も。亦復かくの如し。阿
J18_0426B31: 彌陀佛は。法藏菩薩のむかし。十方衆生を一子の如
J18_0426B32: くにあはれみ給ひ。十方諸佛の捨玉ひし重病人を。
J18_0426B33: 我だにたすけずはいかがせむ。若たすけ得ずば。正
J18_0426B34: 覺を取らじといへる願を發し給ふ。さても十方衆生

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