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J2750 徳本行者伝 行誡 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0425A01: り。墳墓にてもおなじさま也。御齋後。本堂にて念
J18_0425A02: 佛一會修し玉ふ。群參の道俗に。三歸十念授けさせ
J18_0425A03: おはしき。本佛の御つぎに侍りしを。手をとりて御
J18_0425A04: 座に咫尺せしめて。さまざまの事どもとはせ玉へる
J18_0425A05: 中にも。むかし行者を宮中に請じて。日課うけつる
J18_0425A06: ころは。まろもまだ妙齡なりしかど。殊の外たふと
J18_0425A07: げにおもひいりき。隙行駒のとどまらで。墳墓に苔
J18_0425A08: むしたるをさへに。見る事よとて。御涙ぬぐはせ給
J18_0425A09: へり。時移るまで御物がたりあり。夕陽かたぶきた
J18_0425A10: りとて。かへらせ給ひぬ。もとの冠譽大僧正。この
J18_0425A11: ごろは。まだただ人にて。けふの御補佐をぞつとめ
J18_0425A12: おはしき。こは天保五年十月二十二日なり。十七回
J18_0425A13: 忌をとぶらはせ給へるためのよし。のちにきこゆ。
J18_0425A14: 師の參殿は唯一度ならではあらざりしを。けふまで
J18_0425A15: もわすれさせおはしまさで。かばかりにものし給ふ
J18_0425A16: なんさるへき御宿縁にこそ。
J18_0425A17: 德本行者傳下之卷
J18_0425B18: 一枚起請文
J18_0425B19: もろこし我朝に。もろもろの智者達の。沙汰し申さ
J18_0425B20: るる。觀念の念にもあらず。又學問をして。念の心
J18_0425B21: をさとりて申。念佛にもあらず。唯往生極樂のため
J18_0425B22: には。南無阿彌陀佛と申て。疑なく往生するぞと思
J18_0425B23: とりて。申外には別の子細候はず。但三心四修と申
J18_0425B24: 事の候は。皆决定して。南無阿彌陀佛にて。往生す
J18_0425B25: るぞとおもふうちにこもり候なり。此外に奧深き事
J18_0425B26: を存ぜば二尊のあはれみにはづれ。本願にもれ候べ
J18_0425B27: し。念佛を信ぜんひとは假令一代の法をよくよく學
J18_0425B28: すとも。一文不知の愚鈍の身になして。尼入道の無
J18_0425B29: 智の輩に同して。智者の振舞をせずして。唯一向に
J18_0425B30: 念佛すべし。
J18_0425B31: 爲證以兩手印
J18_0425B32: 淨土宗の安心起行。此一紙に至極せり。源空が所
J18_0425B33: 存この外に全別義を存ぜす。滅後の邪義を防んが
J18_0425B34: ために。所存を記し畢

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