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J2750 徳本行者伝 行誡 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0427A01: の。三界二十五有を。流轉すべき病根を斷絶せしめ
J18_0427A02: んとて。五劫の間思惟して。建玉ひたる靈藥とは。
J18_0427A03: 即ち六字名號なり。しかしてより。兆載永劫の間。
J18_0427A04: 煉にねり。ためしにためして。此名號の靈藥を服し
J18_0427A05: たらんものは。六道輪回の病根を斷。往生極樂の堅
J18_0427A06: 固の身を得つへきいはれを。はやく十劫の昔。成等
J18_0427A07: 正覺の曉。决定成就し給へり。大經願成就の文これ
J18_0427A08: が爲なり。されば。何の子細もなく。口に南無阿彌
J18_0427A09: 陀佛と申こそ。良醫の藥を服するにたとふるなれ。
J18_0427A10: あはれ。名醫の藥は。かならず服すべきことわりに
J18_0427A11: して。六字の名號は。必となふべきいはれなり。此
J18_0427A12: 道理を聞ながら。この藥味は何何ぞ。何の功能あり
J18_0427A13: やなど。いひもてさばくる程に。無常時をえらば
J18_0427A14: ず。ただちに惡道の難治に墮落したらんには。もは
J18_0427A15: や六字の靈藥も。服すべき便も。本願の良法も。手
J18_0427A16: をつかねて。徒に苦毒をうけしむべし。譬ば。寶の
J18_0427A17: 山に入ながら。空手にて歸といへる是なり。十劫の
J18_0427B18: むかし。疾に定たる良藥なり。正直に服したらんも
J18_0427B19: のこそ。病は癒べきなれ。製藥功能の評定に。光陰
J18_0427B20: をいたづらに費す事なかれ。
J18_0427B21: 凡念佛するほどのもの。往生せぬはなきなり。若念
J18_0427B22: 佛する者往生せずは。正覺をとらじと誓給ひ。已に
J18_0427B23: 佛に成玉ひしなれば。我等何ぞこれを疑んや。故に
J18_0427B24: 若念佛して。佛の迎給はずは。われらが愁にあら
J18_0427B25: ず。これ佛の御恥ぞかし。しかるに凡夫にはぢ取給
J18_0427B26: はんほどならば。六方諸佛。何故に廣長舌相をのべ
J18_0427B27: て證誠し給はん。釋尊またなにしか。この法を付屬
J18_0427B28: し玉ふべき。ここをもて知ぬ。念佛するほどのもの
J18_0427B29: は。往生疑ふべからざる事を。唯よろしく一心に本
J18_0427B30: 願の強縁をたのみ。ひたすら念佛して必一大事を遂
J18_0427B31: べし。
J18_0427B32: 又曰。古人の云。人の臨終は。平生にあり。平生ま
J18_0427B33: た臨終なりと。この事深翫味すべし。もし人平生
J18_0427B34: に今や臨終ならんとおもひて。專心に念佛相續しぬ

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