浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0423A01: | 絶ることなし。 |
J18_0423A02: | 同月廿五日。京都の佛匠西田立慶の作れる眞影の木 |
J18_0423A03: | 像來着す。師此像に向て。今日より後は。利益衆生 |
J18_0423A04: | を。汝に讓るなり。施化利生我に違ふ事なかれと |
J18_0423A05: | て。一枚起請の文を繰返し讀玉ひて。師みづから坐 |
J18_0423A06: | し給へりし座を。此像にゆづられ。これを開眼の式 |
J18_0423A07: | とぞせられける。これよりのち。此像を附屬の眞影 |
J18_0423A08: | とは。申傳へ侍るなり。 |
J18_0423A09: | 十月五日。師牀蓐に起坐して。本佛をはじめ。諸の |
J18_0423A10: | 法弟に對して。今日は我發心以來の一切の善根を。 |
J18_0423A11: | 上は十方一切の三寶。下は六道の衆生に回向せんと |
J18_0423A12: | す。汝等謹で聽聞せよとて。香を焚。合掌して誦じ |
J18_0423A13: | 給ふ辭に曰。恭白本師釋迦牟尼佛願王彌陀如來十方 |
J18_0423A14: | 恒沙證誠諸佛觀世音菩薩大勢至菩薩極樂海會一切聖 |
J18_0423A15: | 衆乃至舍利弗阿難等諸聲聞衆及麟諭部行等一切縁 |
J18_0423A16: | 覺衆梵釋四王天龍八部本朝和光大小神祇。願以德本 |
J18_0423A17: | 發心以來念佛功德及一切善根上奉酬一切三寶廣 |
J18_0423B18: | 大慈恩下回六道衆生無邊群類等出娑婆同歸淨 |
J18_0423B19: | 土又願以此功德資益 今上皇帝福基永固聖化無 |
J18_0423B20: | 窮 皇后貴嬪慈心平等 皇太子恩厚仁深 大君殿下 |
J18_0423B21: | 德覆八極仁撫四夷百官百司奉職無差四民安泰 |
J18_0423B22: | 五穀豐熟天長地久山靜海平又願生生世世還來穢國隨 |
J18_0423B23: | 縁攝化恒輝佛日常轉法輪と回向し終て。暫念佛 |
J18_0423B24: | し玉へり。是ぞ生涯の惣回向也とて。諸弟子に永訣 |
J18_0423B25: | を告給ふ。 |
J18_0423B26: | この四五日は。淨土の莊嚴室内に現前して。宛眞の |
J18_0423B27: | 曼荼羅也との給へり。また天童などの往來して。供 |
J18_0423B28: | やうし給へるさまも見ゆ。 |
J18_0423B29: | 同月六日曉のころ。師の玉はく。今日往生の日なる |
J18_0423B30: | べし。本師の涅槃も。元祖の臨滅も。みな頭北面西 |
J18_0423B31: | なり。我常坐不臥の念佛行者なりといへども。今日 |
J18_0423B32: | に至りて。豈佛祖の芳躅に背んやとて。始て牀蓐に |
J18_0423B33: | 平臥し給へり。其さま沈痾の體にせまるとは見えざり |
J18_0423B34: | けり。いざ念佛せんとて高聲體をせむ。音聲むかし |