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J2750 徳本行者伝 行誡 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0423A01: 絶ることなし。
J18_0423A02: 同月廿五日。京都の佛匠西田立慶の作れる眞影の木
J18_0423A03: 像來着す。師此像に向て。今日より後は。利益衆生
J18_0423A04: を。汝に讓るなり。施化利生我に違ふ事なかれと
J18_0423A05: て。一枚起請の文を繰返し讀玉ひて。師みづから坐
J18_0423A06: し給へりし座を。此像にゆづられ。これを開眼の式
J18_0423A07: とぞせられける。これよりのち。此像を附屬の眞影
J18_0423A08: とは。申傳へ侍るなり。
J18_0423A09: 十月五日。師牀蓐に起坐して。本佛をはじめ。諸の
J18_0423A10: 法弟に對して。今日は我發心以來の一切の善根を。
J18_0423A11: 上は十方一切の三寶。下は六道の衆生に回向せんと
J18_0423A12: す。汝等謹で聽聞せよとて。香を焚。合掌して誦じ
J18_0423A13: 給ふ辭に曰。恭白本師釋迦牟尼佛願王彌陀如來十方
J18_0423A14: 恒沙證誠諸佛觀世音菩薩大勢至菩薩極樂海會一切聖
J18_0423A15: 衆乃至舍利弗阿難等諸聲聞衆及麟諭部行等一切縁
J18_0423A16: 覺衆梵釋四王天龍八部本朝和光大小神祇。願以德本
J18_0423A17: 發心以來念佛功德及一切善根上奉酬一切三寶廣
J18_0423B18: 大慈恩下回六道衆生無邊群類等出娑婆同歸淨
J18_0423B19: 土又願以此功德資益 今上皇帝福基永固聖化無
J18_0423B20: 窮 皇后貴嬪慈心平等 皇太子恩厚仁深 大君殿下
J18_0423B21: 德覆八極仁撫四夷百官百司奉職無差四民安泰
J18_0423B22: 五穀豐熟天長地久山靜海平又願生生世世還來穢國隨
J18_0423B23: 縁攝化恒輝佛日常轉法輪と回向し終て。暫念佛
J18_0423B24: し玉へり。是ぞ生涯の惣回向也とて。諸弟子に永訣
J18_0423B25: を告給ふ。
J18_0423B26: この四五日は。淨土の莊嚴室内に現前して。宛眞の
J18_0423B27: 曼荼羅也との給へり。また天童などの往來して。供
J18_0423B28: やうし給へるさまも見ゆ。
J18_0423B29: 同月六日曉のころ。師の玉はく。今日往生の日なる
J18_0423B30: べし。本師の涅槃も。元祖の臨滅も。みな頭北面西
J18_0423B31: なり。我常坐不臥の念佛行者なりといへども。今日
J18_0423B32: に至りて。豈佛祖の芳躅に背んやとて。始て牀蓐に
J18_0423B33: 平臥し給へり。其さま沈痾の體にせまるとは見えざり
J18_0423B34: けり。いざ念佛せんとて高聲體をせむ。音聲むかし

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