浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0403A01: | られしにや。呼かへして對面せられける。のちに師 |
J18_0403A02: | の爲に。華嚴經の大旨を講ぜられしに。律師の學 |
J18_0403A03: | 解。やや大菩薩の悟道にせまれり。栂尾の明惠上人 |
J18_0403A04: | の再來にやなど。師ものたまへり。或人の。師は非 |
J18_0403A05: | 學生なりなといひけるを。律師傳聞て。令與修多羅 |
J18_0403A06: | 合と申さずや。念佛三昧の行者は。世に輕んすべか |
J18_0403A07: | らず。今の學生達は。口空を説て。心有に著すなる |
J18_0403A08: | をとぞいはれける。開解。立行は。佛家の基本た |
J18_0403A09: | り。兩大德の。互に歎美せられしは。いと殊勝の事 |
J18_0403A10: | にこそ。 |
J18_0403A11: | 師。或時名號多く書せ給ひし紙の上に。大さ小豆ほ |
J18_0403A12: | どの。琥珀の色なる一粒の舍利。忽然として現れ。 |
J18_0403A13: | 光まばゆきまでなり。師。の給はく。是は予が授り |
J18_0403A14: | しなるべしとて。かねて襟にかけ給へる舍利塔にぞ |
J18_0403A15: | 收給へりける。 |
J18_0403A16: | 越前國。大原山に。妙華谷といへる處あり。滿谷。 |
J18_0403A17: | 山芹菜のみ生じて。見渡ば。さながら白浪のたてる |
J18_0403B18: | やうなり。文化三年正月中旬より。八日十五日ま |
J18_0403B19: | で。この谷にて別行勤たまふ。いつのころにか。松 |
J18_0403B20: | の嵐。瀑布の音も。なべて南無阿彌陀佛の聲に聞へ |
J18_0403B21: | ける事のありしとぞ。阿彌陀經にとける。皆悉念佛 |
J18_0403B22: | の勝境の。現ぜしなるべしといと殊勝の事にこそ。 |
J18_0403B23: | 平生の御言葉に。我。念佛する時は即阿彌陀なり。 |
J18_0403B24: | 説法する時は即釋迦なり。とぞのたまひける。聖道 |
J18_0403B25: | 門にはかかる傳へもあれど。淨土宗にては。かくま |
J18_0403B26: | でには申さぬぞ敎限なるべきを。師の自得し給へる |
J18_0403B27: | さま。おのづから經論の至理に符合せるを。其まま |
J18_0403B28: | 仰られしも。いとめづらしくなん。 |
J18_0403B29: | 或僧。草庵を訪ひけるに。汝このごろ。何事にか慢 |
J18_0403B30: | 心おこせる。我今まどろめる夢に。鼻のながさ。こ |
J18_0403B31: | の花瓶などなる人の。わが傍に寢てありき。其着た |
J18_0403B32: | る衣。汝が衣のいろと同じ事なりき。故にかくは問 |
J18_0403B33: | ぞとの給ひけるに。身の毛いよだちかしこまりて十 |
J18_0403B34: | 念うけて歸けり。この僧のちに人にかたりていへ |