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J2750 徳本行者伝 行誡 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0394A01: べし。此後は日日の御齋食ならびに。うしほなどを
J18_0394A02: ば。月毎に吉田氏より供養せしとぞ。
J18_0394A03: 師の常に淨土宗の至極は。稱名の一法にあり。この
J18_0394A04: 外に沙汰すべき道なしと。の給へるにつきて。或人の
J18_0394A05: 曰。師はいまだしり給はすや。淨土宗には。布薩戒
J18_0394A06: と申事侍り。これをもて至極とす。念佛のみにはあ
J18_0394A07: らじと。申ししを聞給ひて。念佛に勝れたる法門
J18_0394A08: は。よに有まじとおぼしながらも。法門無盡な 。
J18_0394A09: 猶さる事もやなど。聊おぼし煩給ひしころ。一夜誰
J18_0394A10: ともしらず。一卷の文を出して。これなん布薩よと
J18_0394A11: いひつるをみれば。例の一枚起請文にてぞありけ
J18_0394A12: る。兼てもさこそ思ひつれとおぼすに。やがて夢覺
J18_0394A13: たり。宗門にも布薩の法は。勤べき事に定られたれ
J18_0394A14: ど。ある僧のいひし如にはあらざりけるを。冥の悟
J18_0394A15: し給ひけるなるべし。師の粉引歌のはじめに。これ
J18_0394A16: が萬行具足の戒よと。の給ひしは。この冥告の旨を
J18_0394A17: 述給へるなり。
J18_0394B18: 常に人に告ての給はく。何の道にても。一關を超る
J18_0394B19: が大切なり。人人いま一際の處にて。堪難しとて。
J18_0394B20: 得遂ざる也。我昔禮拜せし時に。日日三千禮。ある
J18_0394B21: は五千。七千。一萬に至れり。又常行の別時も初七
J18_0394B22: 日程は難澁なりしかども。殊に身心を策勵して勤れ
J18_0394B23: は差たる事なし。されども勇猛につとむるころは。
J18_0394B24: 内外に魔境きそひ起りて。こは如何なる宿業にと。
J18_0394B25: 身の毛もいよだつばかり覺る事屢屢なり。此時さら
J18_0394B26: に心を動ぜずして。深三寶に護念をこひ奉りて。い
J18_0394B27: よいよ專心に勤修おこたる事なければ魔境次第に消
J18_0394B28: 散して。やがて安穩の塲に至るなり。さればすべて
J18_0394B29: の事。一際の超がたく忍難き處にいたる時。みづか
J18_0394B30: ら勵し。愈つとむれば。後後は任運にすすむものな
J18_0394B31: りとぞ語られける。
J18_0394B32: 一とせ。元旦に雨ふりたるに。或人雨天にてあしく
J18_0394B33: 候と。申けるを聞給ひて。すべて天地の事などを。
J18_0394B34: とかくにいふべからず。風雨なくばいかでかものを

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