浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0275A01: | はく。佛の敎は法によりて人によるべからず。然に |
J18_0275A02: | 御邊等の心行全くわれに依る。われはこれ凡夫僧 |
J18_0275A03: | 也。何ぞ依に足らん。われもし捨戒歸俗せば。御邊 |
J18_0275A04: | 等の心行すなはち廢退すべし。それ往生極樂の道 |
J18_0275A05: | は。師友に依べからず。ただ本願念佛によるべきな |
J18_0275A06: | り。良師に遇て進み惡友にあふて退くは。これ内に |
J18_0275A07: | 志操なきがゆゑにして。なほ輕毛の風に隨ひて東西 |
J18_0275A08: | するかごとし。ああ危かな唯まさに一心に念佛し |
J18_0275A09: | て。師友の好惡を論することなかれと示し申されけ |
J18_0275A10: | る。 |
J18_0275A11: | 師の安心起行起請文にいはく。夫生者必滅のことわ |
J18_0275A12: | りなれは。いかに齡をかさぬとも何れか死に歸せざ |
J18_0275A13: | らん。會者定離の習ひなれば。いかに眷屬あつまる |
J18_0275A14: | とも遂にわかれざらんや。其うへ老少不定の界ひな |
J18_0275A15: | れば。わが死の時日いつとしることあたはず。無常 |
J18_0275A16: | 念念に至て常にわが命を責む。しかれば老たるは元 |
J18_0275A17: | より死にちかし。若きもまた賴むべからず。一期空 |
J18_0275B18: | してくれなば。三途如何ぞ免るることを得ん。かの |
J18_0275B19: | 身のあやふく死の遁れがたき事を。ひしと我身の上 |
J18_0275B20: | に思ひつづけて。一すぢに後の世を助けたまへと思 |
J18_0275B21: | ひて。南無阿彌陀佛と申ぬれば。善人惡人。智者愚 |
J18_0275B22: | 者。在家出家のわかちなく。皆同しく本願に乘じ |
J18_0275B23: | て。決定往生を遂るなり。此事もしたがひ候はば貧 |
J18_0275B24: | 道多年勤來りし念佛の功德利益を失ひ。佛神の御あ |
J18_0275B25: | はれみにはづれ。現世には極惡重病をうけ。未來は |
J18_0275B26: | 決定三惡道に墮して。永劫出離の期なからん。阿彌 |
J18_0275B27: | 陀如來。釋迦如來。十方三世の佛菩薩證明し知見し |
J18_0275B28: | たまへ。愼て有縁の道俗に告す。兎しても角しても |
J18_0275B29: | 一度は死なねばならぬ身にあらずや。ここに心をつ |
J18_0275B30: | けばいかんぞ。後世を恐るる心發らざらん。後世を |
J18_0275B31: | 恐るる心發らは。たたひらに南無阿彌陀佛と稱へた |
J18_0275B32: | まへ。かく申を疑ひ危みて念佛申さぬ人は受難き人 |
J18_0275B33: | 身を受。値ひがたき佛法に値たる甲斐もなく。空く |
J18_0275B34: | 三惡道に歸るべき人なり。又たとひ疑ひ危みながら |