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J2710 関通和尚行業記 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0275A01: はく。佛の敎は法によりて人によるべからず。然に
J18_0275A02: 御邊等の心行全くわれに依る。われはこれ凡夫僧
J18_0275A03: 也。何ぞ依に足らん。われもし捨戒歸俗せば。御邊
J18_0275A04: 等の心行すなはち廢退すべし。それ往生極樂の道
J18_0275A05: は。師友に依べからず。ただ本願念佛によるべきな
J18_0275A06: り。良師に遇て進み惡友にあふて退くは。これ内に
J18_0275A07: 志操なきがゆゑにして。なほ輕毛の風に隨ひて東西
J18_0275A08: するかごとし。ああ危かな唯まさに一心に念佛し
J18_0275A09: て。師友の好惡を論することなかれと示し申されけ
J18_0275A10: る。
J18_0275A11: 師の安心起行起請文にいはく。夫生者必滅のことわ
J18_0275A12: りなれは。いかに齡をかさぬとも何れか死に歸せざ
J18_0275A13: らん。會者定離の習ひなれば。いかに眷屬あつまる
J18_0275A14: とも遂にわかれざらんや。其うへ老少不定の界ひな
J18_0275A15: れば。わが死の時日いつとしることあたはず。無常
J18_0275A16: 念念に至て常にわが命を責む。しかれば老たるは元
J18_0275A17: より死にちかし。若きもまた賴むべからず。一期空
J18_0275B18: してくれなば。三途如何ぞ免るることを得ん。かの
J18_0275B19: 身のあやふく死の遁れがたき事を。ひしと我身の上
J18_0275B20: に思ひつづけて。一すぢに後の世を助けたまへと思
J18_0275B21: ひて。南無阿彌陀佛と申ぬれば。善人惡人。智者愚
J18_0275B22: 者。在家出家のわかちなく。皆同しく本願に乘じ
J18_0275B23: て。決定往生を遂るなり。此事もしたがひ候はば貧
J18_0275B24: 道多年勤來りし念佛の功德利益を失ひ。佛神の御あ
J18_0275B25: はれみにはづれ。現世には極惡重病をうけ。未來は
J18_0275B26: 決定三惡道に墮して。永劫出離の期なからん。阿彌
J18_0275B27: 陀如來。釋迦如來。十方三世の佛菩薩證明し知見し
J18_0275B28: たまへ。愼て有縁の道俗に告す。兎しても角しても
J18_0275B29: 一度は死なねばならぬ身にあらずや。ここに心をつ
J18_0275B30: けばいかんぞ。後世を恐るる心發らざらん。後世を
J18_0275B31: 恐るる心發らは。たたひらに南無阿彌陀佛と稱へた
J18_0275B32: まへ。かく申を疑ひ危みて念佛申さぬ人は受難き人
J18_0275B33: 身を受。値ひがたき佛法に値たる甲斐もなく。空く
J18_0275B34: 三惡道に歸るべき人なり。又たとひ疑ひ危みながら

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