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J2710 関通和尚行業記 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0273A01: 續したまふべし。異解なる文を讀み。異見の敎を聽
J18_0273A02: き。此本願念佛の正法を疑ひ危みて。往生極樂の一
J18_0273A03: 大事を。謬たまふことなかれと示されし。
J18_0273A04: 師常に門人等に示していはく。およそ學道の法は仰
J18_0273A05: 信を本とし。修行を要とす。しかうして身心を攝護
J18_0273A06: して。邪坑に墮することなかれ。もし放逸を樂しみ。
J18_0273A07: 因果を輕んずるやうにこしらへ勸めて。わが正見を
J18_0273A08: 破らんとする人あらば。これぞ大惡魔なりと思ひ
J18_0273A09: て。速かに其人を避け遠ざくべし。もし恐るる心な
J18_0273A10: くして。其人になれ隨はば。自を損じ他を損じ。な
J18_0273A11: がく惡趣に墮して。出離の期あるべからず恐るべし
J18_0273A12: 愼むべし。
J18_0273A13: 又云。念佛の行者。よくよく心をもちひて六字分明
J18_0273A14: に名號を稱ふべし。わづかなる此世ざまのことにす
J18_0273A15: ら言のいひなしによりておのれ損をし。または利を
J18_0273A16: 得べきことなれば。心をつくしてあやまらぬやうに
J18_0273A17: するぞかし。それに出離無縁の我等たやすく生死を
J18_0273B18: 離れて。高妙の淨土に往生する正因たる。この本願
J18_0273B19: 念佛無上功德の名號を。いかで文字をあやまち稱ふ
J18_0273B20: べき南無阿彌陀佛とは因行果德のあらゆる功德を。
J18_0273B21: 皆ことことくつつみおさめたるなれば。一字闕略す
J18_0273B22: れば無量の功德を闕き。一聲訛稱すれば無邊の大利
J18_0273B23: を失ふになるなり。しかあるを假初の此世の拙きこ
J18_0273B24: とには。げにげにしく思ひいれて。よろづことばに
J18_0273B25: あやまりなく。我身に利を得るやうにいひなし。わ
J18_0273B26: が一大事の後生を助るべき念佛は。等閑にのみ思ひ
J18_0273B27: はなちて。文字を闕あやまり唱へ。廣大無邊の功德
J18_0273B28: を失ふをも痛むこころなきは。無下にあさましきこ
J18_0273B29: とにあらすや。此道理を思ひわきて。ゆめゆめ他の
J18_0273B30: 聞をかざりて。聲をあやとりつくらふことなく。唯
J18_0273B31: 自他の耳に。しかしかと六字分明に聞ゆるやうに。
J18_0273B32: 稱ふべし。ゆるかせにすることなかれ。
J18_0273B33: 又云。臨終の時。唯南無阿彌陀佛と申て死なんと思
J18_0273B34: ふべし。臨終の儀式よ。御手の絲よ。香華よといは

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