浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0273A01: | 續したまふべし。異解なる文を讀み。異見の敎を聽 |
J18_0273A02: | き。此本願念佛の正法を疑ひ危みて。往生極樂の一 |
J18_0273A03: | 大事を。謬たまふことなかれと示されし。 |
J18_0273A04: | 師常に門人等に示していはく。およそ學道の法は仰 |
J18_0273A05: | 信を本とし。修行を要とす。しかうして身心を攝護 |
J18_0273A06: | して。邪坑に墮することなかれ。もし放逸を樂しみ。 |
J18_0273A07: | 因果を輕んずるやうにこしらへ勸めて。わが正見を |
J18_0273A08: | 破らんとする人あらば。これぞ大惡魔なりと思ひ |
J18_0273A09: | て。速かに其人を避け遠ざくべし。もし恐るる心な |
J18_0273A10: | くして。其人になれ隨はば。自を損じ他を損じ。な |
J18_0273A11: | がく惡趣に墮して。出離の期あるべからず恐るべし |
J18_0273A12: | 愼むべし。 |
J18_0273A13: | 又云。念佛の行者。よくよく心をもちひて六字分明 |
J18_0273A14: | に名號を稱ふべし。わづかなる此世ざまのことにす |
J18_0273A15: | ら言のいひなしによりておのれ損をし。または利を |
J18_0273A16: | 得べきことなれば。心をつくしてあやまらぬやうに |
J18_0273A17: | するぞかし。それに出離無縁の我等たやすく生死を |
J18_0273B18: | 離れて。高妙の淨土に往生する正因たる。この本願 |
J18_0273B19: | 念佛無上功德の名號を。いかで文字をあやまち稱ふ |
J18_0273B20: | べき南無阿彌陀佛とは因行果德のあらゆる功德を。 |
J18_0273B21: | 皆ことことくつつみおさめたるなれば。一字闕略す |
J18_0273B22: | れば無量の功德を闕き。一聲訛稱すれば無邊の大利 |
J18_0273B23: | を失ふになるなり。しかあるを假初の此世の拙きこ |
J18_0273B24: | とには。げにげにしく思ひいれて。よろづことばに |
J18_0273B25: | あやまりなく。我身に利を得るやうにいひなし。わ |
J18_0273B26: | が一大事の後生を助るべき念佛は。等閑にのみ思ひ |
J18_0273B27: | はなちて。文字を闕あやまり唱へ。廣大無邊の功德 |
J18_0273B28: | を失ふをも痛むこころなきは。無下にあさましきこ |
J18_0273B29: | とにあらすや。此道理を思ひわきて。ゆめゆめ他の |
J18_0273B30: | 聞をかざりて。聲をあやとりつくらふことなく。唯 |
J18_0273B31: | 自他の耳に。しかしかと六字分明に聞ゆるやうに。 |
J18_0273B32: | 稱ふべし。ゆるかせにすることなかれ。 |
J18_0273B33: | 又云。臨終の時。唯南無阿彌陀佛と申て死なんと思 |
J18_0273B34: | ふべし。臨終の儀式よ。御手の絲よ。香華よといは |