ウィンドウを閉じる

J2710 関通和尚行業記 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0272A01: をかくる時。羣參の貴賤異口同音に念佛し。各各哀
J18_0272A02: 歎の聲を勵ましける。この荼毘所にて異香をきく人
J18_0272A03: も多く侍りしとなん。すでに荼毘もをはりしかは遺
J18_0272A04: 骨を拾ひ。門人塔をいとなみける。
J18_0272A05: 師生涯本國をはじめ。東西兩都および諸州を勸奘せ
J18_0272A06: らるること。四十八年一百餘所。その遊歷の諸刹途
J18_0272A07: 中の結縁など。ここに盡すべからず。得度の僧尼千
J18_0272A08: 五百餘人。受戒するもの三千餘人。課佛誓約の男女千
J18_0272A09: 萬餘人なり。師西歸兩三年以前。海音問ていはく。師日課結縁千萬人と誓はれしは大概をいふにやと。師いはくい
J18_0272A10: やとよ實に千萬人なりと。また問ふ千萬人とはいかほとのことぞ。師いはく千人を萬なり又問これ莫大のことにして一世に成しかたる
J18_0272A11: べしと師いはく予一兩年以前に千萬人は成滿せしとおぼえぬと語られし實に蓮止の傳化さへ廿七萬五千余人といへりいはんや師におい
J18_0272A12: てをやまた師の敎へによりて信願持名し。現に奇瑞を
J18_0272A13: あらはして往生せしもの多かりしかども。師一期現
J18_0272A14: 驗奇瑞を沙汰することをふかく制せられけるゆゑ。
J18_0272A15: しかしかと他に語ることさへなくて。自然と人知ら
J18_0272A16: ずなりうせたるも亦多し。門人等纔に見聞せしを書
J18_0272A17: ととめ。又たまたま書をもて申こせしを。そのまま
J18_0272B18: に寫せし艸記二十餘卷あり。また門人眞海阿仙蓮止
J18_0272B19: 等の傳。隨聞往生記等にゆづりてここに略しぬ
J18_0272B20: 師の法語多しといへども繁を恐れて今ここに二
J18_0272B21: 三を附錄し侍る
J18_0272B22: 師勸説の常語に云く。阿彌陀佛の本願曰。設我得
J18_0272B23: 佛十方衆生。至心信樂欲生我國乃至十念。若不
J18_0272B24: 生者不取正覺。善導大師彌陀如來の化身として
J18_0272B25: 此本願の文を釋してのたまはく。若我成佛。十方衆
J18_0272B26: 生。稱我名號下至十聲。若不生者不取正覺。
J18_0272B27: 彼佛今現在世成佛。當知本誓重願不虚。衆生稱念
J18_0272B28: 必得往生。圓光大師ののたまはく。唯往生極樂のた
J18_0272B29: めには南無阿彌陀佛と申て。疑ひなく往生するぞと
J18_0272B30: 思ひとりて申外には。別の子細候はず但し三心四修
J18_0272B31: と申すことの候は。皆决定して南無阿彌陀佛にて往生
J18_0272B32: するぞと。思ふうちに籠り候なり云云往生を願はん
J18_0272B33: 人は。すべからくこれらの御語を仰信して。左右の
J18_0272B34: 分別なく。命の終るを限として。南無阿彌陀佛を相

ウィンドウを閉じる