浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0265A01: | 遍は。毎朝おきたらんときなりとも。又は毎夜ねふ |
J18_0265A02: | りにつかんとする時なりとも。必す指をり數へて。 |
J18_0265A03: | これを唱へ。その外行坐寢食を選はず。一聲にても |
J18_0265A04: | 數を多く唱へんと。常に心を用ゆべきなり。一念十 |
J18_0265A05: | 念までも往生の業成辨すれば。勵みて多く唱ふるこ |
J18_0265A06: | となかれといふは。ゆゆしき邪説なり。ゆめゆめ信 |
J18_0265A07: | することなかれ。所詮一脈に後の世を助たまへと。 |
J18_0265A08: | おもふこころにて命終まで毎日多も少くも南無阿 |
J18_0265A09: | 彌陀佛を唱へて。日日相續だにもすれば。善人惡 |
J18_0265A10: | 人。智者愚者。在家出家の差別なく。みな同しく往 |
J18_0265A11: | 生す。これひとへに彌陀如來大悲本願不可思議の御 |
J18_0265A12: | しわざなりとぞ示されし。その別願不共の絶功を讃 |
J18_0265A13: | 説し。勸諭まことを盡されしかば。わづかに一席の |
J18_0265A14: | 敎誨を聞て。頓に積年の疑團を破り。往生の安心を |
J18_0265A15: | 决して。日課念佛を誓約するもの數多なり。又十遍 |
J18_0265A16: | 以上を誓はしめられけるゆゑ。童男童女まても受持 |
J18_0265A17: | に堪へて。化益普くおよびしとぞ。また師たまたま |
J18_0265B18: | よろこばさるの色ある時にも。某はよく念佛す。某 |
J18_0265B19: | は臨終めでたき往生し侍りし。某は日課を受んとこ |
J18_0265B20: | ふなどいへば。忽ち色を和らげ。おほいに歡喜せら |
J18_0265B21: | れき。 |
J18_0265B22: | 師。門人のために選擇集を講談せられしこと凡二十 |
J18_0265B23: | 餘遍廣く道俗を敎諭するには。一枚起請文。三部の |
J18_0265B24: | 祕鈔などをよみて。因縁譬喩をくはへ辨ぜらる。三 |
J18_0265B25: | 部の祕鈔の中においても。とりわき歸命本願鈔を講 |
J18_0265B26: | ぜられし事。三十六遍におよびしとぞ。老後にいた |
J18_0265B27: | りては。もはや西歸もちかくなれば。宗の肝要ただ |
J18_0265B28: | 三心にあり。餘は談ずるにいとまなしとて。殊に中 |
J18_0265B29: | 卷三心の一問答を微細に談せられき。およそ師。法 |
J18_0265B30: | を説るるの日は。朝より一向に他の應對を謝し。念 |
J18_0265B31: | 佛しながら其日講ずる書をくりかへし見て。ねんご |
J18_0265B32: | ろに思熟熏練せらる |
J18_0265B33: | 師。一切處において大坐せられず。聖敎に對する時 |
J18_0265B34: | は端坐して拜閲せられき。佛前の進退には大賓に向 |