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J2710 関通和尚行業記 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0265A01: 遍は。毎朝おきたらんときなりとも。又は毎夜ねふ
J18_0265A02: りにつかんとする時なりとも。必す指をり數へて。
J18_0265A03: これを唱へ。その外行坐寢食を選はず。一聲にても
J18_0265A04: 數を多く唱へんと。常に心を用ゆべきなり。一念十
J18_0265A05: 念までも往生の業成辨すれば。勵みて多く唱ふるこ
J18_0265A06: となかれといふは。ゆゆしき邪説なり。ゆめゆめ信
J18_0265A07: することなかれ。所詮一脈に後の世を助たまへと。
J18_0265A08: おもふこころにて命終まで毎日多も少くも南無阿
J18_0265A09: 彌陀佛を唱へて。日日相續だにもすれば。善人惡
J18_0265A10: 人。智者愚者。在家出家の差別なく。みな同しく往
J18_0265A11: 生す。これひとへに彌陀如來大悲本願不可思議の御
J18_0265A12: しわざなりとぞ示されし。その別願不共の絶功を讃
J18_0265A13: 説し。勸諭まことを盡されしかば。わづかに一席の
J18_0265A14: 敎誨を聞て。頓に積年の疑團を破り。往生の安心を
J18_0265A15: 决して。日課念佛を誓約するもの數多なり。又十遍
J18_0265A16: 以上を誓はしめられけるゆゑ。童男童女まても受持
J18_0265A17: に堪へて。化益普くおよびしとぞ。また師たまたま
J18_0265B18: よろこばさるの色ある時にも。某はよく念佛す。某
J18_0265B19: は臨終めでたき往生し侍りし。某は日課を受んとこ
J18_0265B20: ふなどいへば。忽ち色を和らげ。おほいに歡喜せら
J18_0265B21: れき。
J18_0265B22: 師。門人のために選擇集を講談せられしこと凡二十
J18_0265B23: 餘遍廣く道俗を敎諭するには。一枚起請文。三部の
J18_0265B24: 祕鈔などをよみて。因縁譬喩をくはへ辨ぜらる。三
J18_0265B25: 部の祕鈔の中においても。とりわき歸命本願鈔を講
J18_0265B26: ぜられし事。三十六遍におよびしとぞ。老後にいた
J18_0265B27: りては。もはや西歸もちかくなれば。宗の肝要ただ
J18_0265B28: 三心にあり。餘は談ずるにいとまなしとて。殊に中
J18_0265B29: 卷三心の一問答を微細に談せられき。およそ師。法
J18_0265B30: を説るるの日は。朝より一向に他の應對を謝し。念
J18_0265B31: 佛しながら其日講ずる書をくりかへし見て。ねんご
J18_0265B32: ろに思熟熏練せらる
J18_0265B33: 師。一切處において大坐せられず。聖敎に對する時
J18_0265B34: は端坐して拜閲せられき。佛前の進退には大賓に向

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