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J2710 関通和尚行業記 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0264A01: 鈍根障重の人も。皆同しく往生するなり。但し死ぬる
J18_0264A02: ことをしらず。後世を恐るる心なく。念佛を申さざ
J18_0264A03: る人のみ往生すること愜はざるなり。夫昨日暮て今
J18_0264A04: 日來り。今日暮て明日來るがごとく。三世歷然とし
J18_0264A05: て疑ふべきにあらず。偖眼前に重過を犯せるもの
J18_0264A06: は。必王法の刑罰を蒙り。正直に己が職分を勵み勤
J18_0264A07: るものは。必立身するがごとく。善惡因果の報應少
J18_0264A08: しも違ふことなし。しかるに己己日夜の所作。未來
J18_0264A09: 善處に生るる因はなく唯惡趣の業のみなり。能く案
J18_0264A10: しても見られよ。誰誰も一度は死なねばならぬ身に
J18_0264A11: あらずや。其死したらんとき。人人いかにせんと思
J18_0264A12: ひたまふぞ識神きえず業に隨て行ば。後世の身も他
J18_0264A13: 人の身にはあらず。玆に一つしかと心づかば。いか
J18_0264A14: なるおろかなる人なりとも。などか後世を恐る心發
J18_0264A15: らざらん。後世を怖るる心だにおこらば唯ひらに南
J18_0264A16: 無あみだ佛と稱ふべし。唱ふれば必ず往生を遂るな
J18_0264A17: り。世に罪深き男女無智の小兒などの但南無阿彌陀
J18_0264B18: 佛と唱へしばかりにて。いみじく往生遂しもの古今
J18_0264B19: 是おほし。是にて唯一向に念佛を申だにすれば。疑
J18_0264B20: ひなく往生を遂ることを思ひ定むべきなり。偖その
J18_0264B21: 唱ふること多きは。日日に三萬六萬少きは千聲百聲
J18_0264B22: 至て少は十遍づづ申ものも。皆决定して往生を遂る
J18_0264B23: なりかくのごとく賴もしき本願の念佛なれど。世の
J18_0264B24: 人愚にして未來の大苦をおそれず。但現世の少事を
J18_0264B25: 求たとひ名號を唱るも或は名聞利養の爲にし。或は
J18_0264B26: 攘災招福の爲にし又或は淺智をもて本願念佛の了義
J18_0264B27: を疑議して。往生の信一决せず。かかる者は名號を
J18_0264B28: 稱れども本願に順ぜず。本願に順ぜざるがゆゑに往
J18_0264B29: 生せず。是如來人を謬り玉ふにあらず。唯行者みづ
J18_0264B30: から背きて。往生せざるなり若一脈に後の世を助た
J18_0264B31: まへとのみ願て稱へなば。十遍の日課念佛にて往生
J18_0264B32: を遂んこと。一微塵ばかりも疑ひなし但しかく本願
J18_0264B33: 念佛の。貴く賴もしきことを聞て。眞誠に往生を願
J18_0264B34: ふ志し發りなん人は。誓約するところの。十遍二十

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