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J2710 関通和尚行業記 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0261A01: れば今よりは。佛祖の慈恩を報ぜんとおもふにつけ
J18_0261A02: ても。自身の往生を大切におもひ。師僧父母の大恩
J18_0261A03: を報ぜんとおもふにつけても。自身の往生を大切に
J18_0261A04: おもひ。衆生を濟度せんとおもふにつけても。自身
J18_0261A05: の往生を大切におもひ。檀越の恩をかへりみるに
J18_0261A06: も。法の深義を解知せんとおもふにも。その餘なに
J18_0261A07: 事につけても。ひとへに我此度の往生を。大切と深
J18_0261A08: くおもひいれて。一切の世事悕望をやめ。餘の奇特
J18_0261A09: 感見などに意をかけず。ただ往生を待事。童兒の神
J18_0261A10: 祭などを待やうに。常にたのしみおもひて。わき目を
J18_0261A11: ふらず。稱名の一行を勤めおほせんと。堅くおもひ
J18_0261A12: 定めたまふべし。ただしかく化他をも廢し。萬事を
J18_0261A13: 抛離して。ひとへに自行を勵んとするの日。或は外
J18_0261A14: より瞋憎愛染名利等の境。いろいろ起りきたりて。
J18_0261A15: わが心を惱し障りをいたし。或は自身いたうわびし
J18_0261A16: くて堪へがたきことも。よりよりはあるべけれど。常
J18_0261A17: に無常の念念我身にせまり近づくことをおもひ。心に
J18_0261B18: 道理を強くたてて。其を堪忍して。稱名を勇進せら
J18_0261B19: るべし。實に此現身一生の勤修。恙なく相續し。遂
J18_0261B20: に極樂に往生しだにもすれば。一切貪瞋煩惱の苦。
J18_0261B21: 速かに絶て。永く無爲最上の常樂を受。心のままに
J18_0261B22: 二利成滿する身となる事なれば。いかなる障り出來
J18_0261B23: ぬとも。それに轉ぜられて。よはよはしき心を發し。
J18_0261B24: この往生極樂の願行を。退轉すべきにあらず。され
J18_0261B25: ば如來も雖一世勤苦須臾之間後生無量壽佛國快
J18_0261B26: 樂無極長與道德合明永拔生死根本無復貪恚愚
J18_0261B27: 痴苦惱之患と勸勵したまふぞかし。此經文をつね
J18_0261B28: に意に念し。口に誦して意馬に鞭うち。目をふさぎ
J18_0261B29: よろづの障難を堪へ忍ひ。最後臨終の夕まで。願往
J18_0261B30: 生の心たゆみなく。いさぎよく念佛相續せらるべし。
J18_0261B31: かまへてただ一心に自行を勵み勤めたまへとぞ示
J18_0261B32: し申されける。能圓和尚この垂示をうけ。歡喜踊躍
J18_0261B33: するさま。たとふるにものなし。かくて本國に歸り
J18_0261B34: てのちは。この世のことは忘たるがごとく。往生の

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