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J2710 関通和尚行業記 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0258A01: 可怖。慈忍惟親。到處修營。賑濟窮貧。穆穆德行
J18_0258A02: 始流卿隣。洋洋敎化終布海濱。毀譽不抅專修日
J18_0258A03: 新。余曾稱謂無礙道人。
J18_0258A04: 武州長泉院德門律師。かつて尾州八事山にありて。
J18_0258A05: 專心修道せられける。師その精進修行のやうを聞
J18_0258A06: て。弟子を遣していはく。はるかに道風を聞て隨喜
J18_0258A07: にたへず。定めて資具缺くところあらん。供養をな
J18_0258A08: して修業を助成せんと。律師に報ていはく。ただ缺
J18_0258A09: くところ佛像一尊のみ。希くは一像を賜りて。もて
J18_0258A10: 心想を助成せん。其他もとむる所なしと。既にして
J18_0258A11: 師彌陀佛一軀を寄贈せらる。しかるに此像。律師の
J18_0258A12: 禪室に入らせたまふ前夜。律師不思議の夢を感ぜら
J18_0258A13: れ。所贈の佛像。夢の所見といささかもたがはずと
J18_0258A14: て。感仰せられける。のち律師病痾に罹り。西方寺
J18_0258A15: にいたりて療養せらる。師いたはりて湯藥をあた
J18_0258A16: へ。病魔去りてのち策勵していはく。隱遁念佛もと
J18_0258A17: より深く尚むべしといへども。尋常の士女翁婆も。
J18_0258B18: またよくなすところなり。釋子の勤業なにぞここに
J18_0258B19: 止らん。子が材力大法を興起し。普く四衆を利益す
J18_0258B20: るに足る。武府瓔珞の敬首和上は。學德並に高し。子
J18_0258B21: なぞはやく彼にいたりて。請益せざるやと。遂にそ
J18_0258B22: のためふりはへて錫を武府に飛し。和上に啓して德
J18_0258B23: 門はこれ法器なり。願は座下において其器を成せし
J18_0258B24: めたまへと申されしとかや。委くは德門律師行狀記
J18_0258B25: のごとし。また性海和尚大起和尚妙乘和尚了導阿闍梨
J18_0258B26: などいへる學匠も。師と道契ふかく。この外自他の
J18_0258B27: 有識。師の風をのぞみて嘉歎せらるるも少からず。
J18_0258B28: 出羽國能圓和尚といへるは。道心いとふかく出離を
J18_0258B29: 願ふ志せちなりければ。はるかに師を敬慕して。出
J18_0258B30: 離の要など師に面受せんとて。ことさらに武府に來り
J18_0258B31: 面謁を遂げ逗留の問毎夜人靜りてのち。師の許にい
J18_0258B32: たり。法門につきて疑はしきことどもを述て。安心起
J18_0258B33: 行の旨趣細かに問申されしかば。師その求法の志の
J18_0258B34: 厚を感じ。ことに心を盡し反覆して要義を談ぜられし

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