浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0251A01: | 縁山。南溪酉蓮社の報恩藏に安せるこれなり。 |
J18_0251A02: | 寬延元年。徒弟海倫なるもの。城州葛野郡。唐橋の |
J18_0251A03: | 里の觀音寺といふを。京洛加茂河の西。三本木に移 |
J18_0251A04: | し一宇となさんと願ひしが功を果さずして終りぬ |
J18_0251A05: | 師甚たこれを哀みまた徒中曇無にその志を繼しめら |
J18_0251A06: | るここに三河國岡崎に太田勝現といふ人師の化益を |
J18_0251A07: | して花洛にさかんにせまく樂欲し此開創をふかく隨 |
J18_0251A08: | 喜し堂舍を造營してつひに師の弘化の道塲となし眞 |
J18_0251A09: | 海をして尾州圓輪寺より移住せしめらる今の圓通寺 |
J18_0251A10: | これなり後この寺徒衆日日に多くなりぬしかるに四 |
J18_0251A11: | 隣白屋にして寮室を營むに便なければ師門人等と相 |
J18_0251A12: | 議しかさねて洛北七本松の精舍を經始し。轉法輪寺 |
J18_0251A13: | と號す。三州矢作の井上氏なるもの。およひその他 |
J18_0251A14: | 隨喜して費を助る人多く。寶曆六年より土木の功を |
J18_0251A15: | 起せしが。同八年にいたりて。殿宇ことことく落慶 |
J18_0251A16: | す。またあらたに。二丈四尺の坐像。通肩の彌陀尊 |
J18_0251A17: | の大像を彫刻して。本尊となしたてまつらる。師造 |
J18_0251B18: | 立の願偈にいはく。 |
J18_0251B19: | 諸有衆生 或信不信 稱念瞻禮 結縁無窮 |
J18_0251B20: | 如來大悲 哀愍護念 順逆平等 引接極樂 |
J18_0251B21: | 手書の願偈。ならびに慧心僧都彫刻の立像。御高五 |
J18_0251B22: | 寸の彌陀如來一軀を。本尊の體内におさめらる。こ |
J18_0251B23: | こにおいて。尾張國。圓成寺主可圓比丘。および沙 |
J18_0251B24: | 彌淨行衆一十五人を。この寺に結夏させしめ。すな |
J18_0251B25: | はち可圓比丘を。本尊開眼の導師とせられける。寺 |
J18_0251B26: | の來由は。唐橋亞相在家卿の洪鐘の銘のごとし。此造 |
J18_0251B27: | 營のことにつき。またはじめ三本木にして。專修勸 |
J18_0251B28: | 導の間にも。種種の障難ありしかども。かへりて師 |
J18_0251B29: | の廣度衆生の助とこそなりにけれ。そののち主伴。 |
J18_0251B30: | 圓通寺よりこの寺に移住し。精勤進修せしかば。こ |
J18_0251B31: | れを追慕して。入衆するもの多く遂に徒衆百余口に |
J18_0251B32: | およびしなり。彼圓通寺は尼寺となし。師所度の尼 |
J18_0251B33: | 弟子を安輯せしめられき。此外洛西。安樂寺。即心 |
J18_0251B34: | 院。また尾張國。平島如意輪寺等の尼院。ことこと |