浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0250A01: | 淨華院において。よき説法あり。汝疾く行て聽受す |
J18_0250A02: | べしと。喜庵あやしみ思ひながら。明朝かの寺にい |
J18_0250A03: | たりてみるに。はたして師の説法あり。ここにおい |
J18_0250A04: | て虚夢たらざることをしり。師に歸して。ついに專心 |
J18_0250A05: | 念佛の行者となりける。 |
J18_0250A06: | 尾張國。山田氏圓輪といふもの。藥師寺則忍等とあ |
J18_0250A07: | ひ議して。府下朝日町の正覺院といふ廢寺を再創 |
J18_0250A08: | し。師の興法利生の道場とす。圓輪寺これなり。 |
J18_0250A09: | 師。門人眞海をして住持せしめらる。すべて師建立 |
J18_0250A10: | の寺院。みな照譽上人の名牌をたてて開祖とし。門 |
J18_0250A11: | 人の耆軰を主として。寺事を領ぜしむ。又師の一期 |
J18_0250A12: | 處處に精舍を創立せられけるに。本尊および莊嚴供 |
J18_0250A13: | 具には。心を用られしかども。堂宇においては。た |
J18_0250A14: | だ雨露をしのぐのみにて。世の經營を縡とせずいは |
J18_0250A15: | んや自己のためにとて。別室をいとなむことなく。た |
J18_0250A16: | だ房舍檐牖の下などに。わづかに膝を容るばかりの |
J18_0250A17: | ところを設けらるるのみ。師の造立。世の脩營にこと |
J18_0250B18: | なるところありける。 |
J18_0250B19: | 師。一日門人に告ていはく。それ一大藏經は。みな |
J18_0250B20: | これ。如來眞身の舍利。出世無上の珍寶なり大聖す |
J18_0250B21: | でに去り給ふといへとも。白法世に住し。西刹路を |
J18_0250B22: | 通することは。偏にこれによれり。祖師黑谷の藏に入 |
J18_0250B23: | てこれを閲覽し。專修の門をひらき給ふ。苟も護法 |
J18_0250B24: | に志あらんもの。またなんぞ忽緖にせん。予願はこ |
J18_0250B25: | れを安置供養して。深重の佛恩を報し奉んとて。す |
J18_0250B26: | なはち淨貲を捨て。一大藏經をこの寺に請せらる。 |
J18_0250B27: | しかれども寺境狹少にして。寶藏を建るに便りあし |
J18_0250B28: | かりければ。別に一室を營構して供養せらる。のち |
J18_0250B29: | 縁山の雅山上人道話のついで。吾山藏經に乏しから |
J18_0250B30: | ず。宋。元。韓の三本あり。これむかし 神祖の寄 |
J18_0250B31: | 附あらせ給ひしなり。しかるに藏規嚴にして。大衆 |
J18_0250B32: | の通覽に便ならず。別に一藏を置て披閲せしめんこ |
J18_0250B33: | と。余がふかく願ふところなりと申されけれは。師 |
J18_0250B34: | 隨喜して。すなはち此一切經本を移しおくらる。今 |