浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J18_0249A01: | れける。 |
J18_0249A02: | 師。あるときおもへらく。夫選擇集は。實にこれ開 |
J18_0249A03: | 宗の根基。行者の明鏡なり。しかるに此書。初發心 |
J18_0249A04: | の僧尼淸信の士女。讀み得るに便ならずとて。淨業 |
J18_0249A05: | の暇國字に譯して刊刻せらる。たまたま筆工に乏し |
J18_0249A06: | かりければ。門人に命じて。雲行法師の書せる。和 |
J18_0249A07: | 語燈錄などの文字を。切わかち。選擇十六章の。文 |
J18_0249A08: | 文句句に植えつらねらる。三縁山の忍海上人隨喜し |
J18_0249A09: | て。畵圖をそへ貴顯縉紳序跋を選述し給ひ。修飾こと |
J18_0249A10: | なり。延享元年版にちりばめ世に行はれ。和字選擇 |
J18_0249A11: | 集といふ。また師。念佛名義集。三心要集。本願念 |
J18_0249A12: | 佛正義辨。本願念佛利益章などを。同しく國字に改 |
J18_0249A13: | 刻し。また元祖大師選述の。淨土宗略抄。往生要 |
J18_0249A14: | 義。念佛大意の三章をあつめて。一册子となし。宗 |
J18_0249A15: | 略大要義と題して。梓行せらる。これみな有信の道 |
J18_0249A16: | 俗をして。容易く宗祖の正義を。知らしめんとの老 |
J18_0249A17: | 婆心に侍り。 |
J18_0249B18: | 寬保元年師上洛して。はじめて四條金蓮寺におい |
J18_0249B19: | て。道俗を勸誘せらる。また淸淨華院貫主貞俊大和 |
J18_0249B20: | 尚も。師を祖堂に招て説法せんことを請ひたまひけ |
J18_0249B21: | り。抑當山は 禁闕の御内道塲にして。向阿上人。 |
J18_0249B22: | 五代の法燈をかがけたまふ御寺なればとて。師すな |
J18_0249B23: | はち一夏の間。歸命本願抄を講説し。二尊の本懷。 |
J18_0249B24: | ただ本願の念佛にあるの旨。演説せられしかば。貴 |
J18_0249B25: | 賤渴仰し。課佛誓約の儔。日日に百をもて數ふべ |
J18_0249B26: | く。師に隨て剃染受戒するものも多かりし。其後も |
J18_0249B27: | また法筵をこの御寺に開れしこと度度なりし。 |
J18_0249B28: | 都下に喜庵といふ人あり。最後の一子に別れ。世の無 |
J18_0249B29: | 常に驚きて。眞實に後世をおそるる心おこりしかど |
J18_0249B30: | も。いまだ何れの法によりて。出離を得んとおもひ |
J18_0249B31: | さだむることもなければ。有縁の法に逢んことをね |
J18_0249B32: | がひて。日を期して。洛西太秦の興隆寺に參詣し。 |
J18_0249B33: | 藥師如來の像前において。深心に懇禱す。喜庵ある |
J18_0249B34: | 夜の夢に。形貌雄偉なる神人來て告ていはく。今淸 |