ウィンドウを閉じる

J2710 関通和尚行業記 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0247A01: 此條なり。
J18_0247A02: 一三部經。禮讃等をよみ覺えさせ。これを兼修せし
J18_0247A03: むることは。稱名正行を策進せしめ。かつこれによ
J18_0247A04: て文字をよみおぼえさせ。念佛の暇に。御傳。語
J18_0247A05: 燈錄等をよましめん料なり。御傳及。和語燈錄は
J18_0247A06: つねにくりかへし拜誦して。大師の御敎訓を。心
J18_0247A07: にきと領納すべし。そのうへにて和字選擇集。三
J18_0247A08: 部假名鈔を拜見すべし。右の御傳等にて。しかと
J18_0247A09: 單信稱名の安心をさだめ。これらの書の趣に違ふ
J18_0247A10: 勸化は。聞とも信用すべからず。またよりより
J18_0247A11: は。一言芳談。西行選集抄。長明發心集等を披閲
J18_0247A12: して。心に鞭うちて他念なく。念佛相續すべし。
J18_0247A13: されど安心と身持とはいささか差別あることなれ
J18_0247A14: ば。正見の知識に尋もとめて。左右の心得あるべ
J18_0247A15: きなり。
J18_0247A16: 一衆尼のまじはり。事事眞實を盡して僞詐をいたす
J18_0247A17: ことなく常にたがひにいさめ。ともにはげまして。
J18_0247B18: 如法に勤修すべし。
J18_0247B19: 一臨終は一期の大事にて候あひだ。つねにこのこと
J18_0247B20: をかたり合せ。病の時は。たがひに實を盡して看
J18_0247B21: 侍すべし。病の輕重によらず。必死の覺悟に住す
J18_0247B22: るが肝要のことなり。看病の人病者の心のおちつ
J18_0247B23: き。やすらかなるやうに理りを説きかせ。正念み
J18_0247B24: だれず。念佛相續して。さはりなく往生を遂るや
J18_0247B25: うに。眞實にとりあつかふべし。これ最要の大事
J18_0247B26: なり。等閑に思ふことなかれ。
J18_0247B27: 右の五箇條は。衆尼をして正見に住せしめ。障なく
J18_0247B28: 念佛相續して。決定往生の素懷を。遂しめんがため
J18_0247B29: に。これを書て授與するものなり。汝等師恩を報せ
J18_0247B30: んと欲せば。かたく上件の旨趣をまもり。一期退轉
J18_0247B31: なく念佛相續して。同しく極樂に生ぜよといふ。
J18_0247B32: 明和二年三月廿二日 關 通
J18_0247B33: 武江の道俗。師の正化の盛んなることを聞て。師を請
J18_0247B34: せんことを。靑山善光寺主にはかるに。寺主心を同し

ウィンドウを閉じる