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J2710 関通和尚行業記 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0246A01: んとて。同處に一寺を開創す。ここにおいて師。母
J18_0246A02: 妙敎及侍尼等を移住させしめらる。のち貞壽寺とい
J18_0246A03: へるこれなり。師更に寺の淸規を建て。衆尼をして
J18_0246A04: かたく依行せしむ。衆漸く增して百口行におよぶ。妙
J18_0246A05: 敎尼は師の孝養によりて。安穩に一期念佛相續し。
J18_0246A06: その最後には。師を知識として。寶曆五年七月十七
J18_0246A07: 日此寺において。さはりなく終をとられき。往生先
J18_0246A08: 後のこと。および外護伴氏臨終の勝相。貞壽建立の終
J18_0246A09: 始。隨聞往生記にゆづりて筆を省きぬ。妙敎尼。命
J18_0246A10: 果ののちは。師ことにその寺規を嚴重にせられける
J18_0246A11: が。明和二年師彼寺にいたり。衆尼をあつめて。ね
J18_0246A12: もごごろに垂誡し。予が沒後かたく此旨を依行すべ
J18_0246A13: しとて。すなはち其日警訓せられし五箇條のこと。あ
J18_0246A14: らかじめ書おきて。これをさづけらる。その書にい
J18_0246A15: はく。
J18_0246A16: 一受がたき人身をうけ。値がたき佛敎にあひ。發し
J18_0246A17: がたき道心をおこし。出がたき恩愛の家をいで。
J18_0246B18: ことに難中之難。無過此難の本願念佛に値ひ。信受
J18_0246B19: し修行する身となりたること。これ實におぼろけ
J18_0246B20: のことにあらず。しかれば各各最初剃髮のときの志
J18_0246B21: を變ずることなく。常に世相の無常を思念し。諸の
J18_0246B22: 雜縁をさけて。專心に稱名すべし。いかなる法要
J18_0246B23: の急務たりとも。もし日課念佛のさはりとなら
J18_0246B24: ば。これをさしおくべし。
J18_0246B25: 一五戒八齋戒。十重禁戒かたくこれを護持して。廢
J18_0246B26: 惡の用心緩漫なるべからず。それ戒は。却惡の先
J18_0246B27: 陣佛法の大地なり。衆行まちまちなりといへども
J18_0246B28: 同くこれによる。宜くこれを奉持して。身心を攝
J18_0246B29: 護し。もて稱名を勵すべし。剃髮出家の本意。た
J18_0246B30: だ此事にあり。もしことを本願によせて。惡事を
J18_0246B31: かまへなし。心に虚假をたくはへて。行業をいつ
J18_0246B32: はりかざらば。すなはちこれ天魔の儻類にして。
J18_0246B33: 佛弟子にあらず。かくのごとき人は。永く地獄に
J18_0246B34: 墮して。出期あることなからん。恐るべきはもとも

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