浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0245A01: | もしくはこれ師の本意ならんかと。恐をかへりみ |
J18_0245A02: | ず。この言をそへぬ。 |
J18_0245A03: | 陸奧國。常樂寺月泉禪師は。敎外の英徹。悟道の達 |
J18_0245A04: | 士なり。門下にもまた泉了。默午などいへる高德あ |
J18_0245A05: | りて。芳名四方に聞えける。元より師の道化を。き |
J18_0245A06: | きおよばれしが。あるとき此燧囊を得て。熟讀せら |
J18_0245A07: | るる事數遍。ふかくその旨に歸し。まことに此書は |
J18_0245A08: | 末代長夜の燈明。衆生濟度の舟航なりとて。隨喜の |
J18_0245A09: | あまり。序文を制して遠くおくられける。 |
J18_0245A10: | 元文二年夏のすゑ。師圓成寺をいでで。同州津島の |
J18_0245A11: | 會光庵に移り。いくほどなくて。同國六句の艸庵。 |
J18_0245A12: | 或は三州黑瀨の放光寺なとに移住せらる。摠じて師 |
J18_0245A13: | 一期の間。西方寺に住持せられし後は。さだまれる |
J18_0245A14: | 居處なく。縁にしたがひて止寓し。門人の住持せる |
J18_0245A15: | 寺院へ到りても。いつまで滯留せんといふ定なく。 |
J18_0245A16: | 寺務にあづからず。繁をさけ。閑について行業を勵 |
J18_0245A17: | むを先とせられき。また常課の稱號。先の勢州の願 |
J18_0245B18: | 文には。三萬以上修せんと誓はれしかども。平常日 |
J18_0245B19: | 日六萬以上。十萬をも修せられき。その稱佛字字分 |
J18_0245B20: | 明にして。闕略あることなし。又師はじめのほど |
J18_0245B21: | は。多く佛前に詣でで念佛せられけるが。老年にい |
J18_0245B22: | たりては靜室にこもりゐて念佛し。また毎夜丑の剋 |
J18_0245B23: | 過より。佛前に詣でで。閑に稱名せられき。無益の |
J18_0245B24: | 談話をきらひて。遁れがたき用事にあらざれば人に |
J18_0245B25: | 應對せず。聖敎を披閲し。法語名號等を書れける時 |
J18_0245B26: | も。口に絶えず稱名せらる。又蜎飛蝡動の類を見。 |
J18_0245B27: | あるひは道にて牛馬などに行逢れけるときも。かな |
J18_0245B28: | らず聲を勵し。念佛してすぎられき。又放生の魚鳥 |
J18_0245B29: | など持來れば。生類は片時も早はなつべしとて。淨 |
J18_0245B30: | 水を加持して。それを魚鳥にそそぎ。念佛回願して |
J18_0245B31: | 放されける。 |
J18_0245B32: | 尾張國津島郷。伴氏父子ともに。師に歸依すること |
J18_0245B33: | 淺からず。師に投じて剃染せる尼衆を。一處に安住 |
J18_0245B34: | せしめ。往生極樂の願行。堅固なることを得せしめ |