浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0244A01: | て〓やと。ふかく此道理を信知して。年來の疑慮。 |
J18_0244A02: | 氷のごとくとけ。順次の往生。まことに手に物を取 |
J18_0244A03: | 得たる心地して。身心安適になり。稱名ことにいさ |
J18_0244A04: | ましくおぼえける。玆において。あはれ誰誰をも。 |
J18_0244A05: | かくやすらかに安心なさしめ。ともに往生の望をと |
J18_0244A06: | げんものをとおもひ。すなはち。子の剋より筆をと |
J18_0244A07: | りて。自己決心の趣を。寅の剋までに艸書し侍る。 |
J18_0244A08: | 予また光明大師の敎に。所感の好相人に向て説くこ |
J18_0244A09: | とを制し給へる事をおもひ。すなはち。その艸稿を |
J18_0244A10: | 凾底におさめて。かつて人にかたらず。かくて年月 |
J18_0244A11: | を經るほどに。いつしか同法の人人。此書あること |
J18_0244A12: | をしり。これをよみて稱名勇進の一助にせんと。強 |
J18_0244A13: | て請ひ求めらる。ここにおいてわれまたおもへら |
J18_0244A14: | く。彼光明大師の。人に向て説ことを制し給へる |
J18_0244A15: | は。たた淨土の依正を感見するにつきてなり。わが |
J18_0244A16: | 所感の旨趣は。正しく往生の安心にあづかるなれ |
J18_0244A17: | ば。佛智これを世に傳へ。念佛往生の巨益。展轉し |
J18_0244B18: | て增多ならしめむことをほりし給ふにもやあらんか |
J18_0244B19: | と。つらつら此事をおもひて。遂にその求請に應じ |
J18_0244B20: | けり。有縁の緇素。これを讀て心を决し。行を起し |
J18_0244B21: | 益を得るもの多かりければ。更に一二の祖釋を引加 |
J18_0244B22: | へ。訂正して二卷とし。刻板せりと語られき。され |
J18_0244B23: | ば師先に伊勢においても。種種感得のことありし趣 |
J18_0244B24: | なれども。决定心はまだおこらざる事を。常になげ |
J18_0244B25: | きて勤られしゆゑに。此靈告を得て落居せられし |
J18_0244B26: | 歟。但し靈告によりて。决定せらるべくは。年來種 |
J18_0244B27: | 種の感得あれども。或時は决定し。或時は决定せら |
J18_0244B28: | れずと。すでにみづから述られしをおもふに。これ |
J18_0244B29: | 靈告によるとはいへども。その實は因縁到來し。な |
J18_0244B30: | にとなく决定せられ侍るならん。さればこそ。師常 |
J18_0244B31: | に好相靈夢をたのむものを呵して。ただ本願の念佛 |
J18_0244B32: | こそと。すすめられし。乞願は。この鈔を信せん |
J18_0244B33: | 人。靈告を執して高く師に讓ることなく。ころりと |
J18_0244B34: | 决定せられしことを。近くわがみにひきうけ給へ。 |