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J2710 関通和尚行業記 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0243A01: にへだてず。唯南無阿彌陀佛と唱ふれば。決定往生
J18_0243A02: の埓にいるなり。只申せば本願に乘じて。決定往生
J18_0243A03: するぞと信じて。一期退轉なければ。終焉の引接た
J18_0243A04: がひなく。上品の往生決定なり等と。
J18_0243A05: 以上は。師艸稿せられし時の。自筆の書をもて
J18_0243A06: 略出しぬ。ただし夾註は私にくはふる所なり。
J18_0243A07: 師老後に此書の因由を語ていはく。予幼年の昔よ
J18_0243A08: り。ひたすら稱名し侍しゆゑ。おほかたに此度往生
J18_0243A09: せんとはおもひしかど。なほややもすれば疑滯なき
J18_0243A10: にあらす。そのゆゑは。稱名烈しくすすみ。妄念す
J18_0243A11: べてやみ。隨分の感夢なども見侍る時には。往生
J18_0243A12: も決定と思はるれども。或は病縁。或は世務さはり
J18_0243A13: をなして。日課をだにも自然とおこたる時には。往
J18_0243A14: 生もいかがと。兎角機につきて思議し。あやぶむ心
J18_0243A15: おこり。凡夫入報土の敎理。今少し鞵をへだてて癢
J18_0243A16: をかく心地なりければ。常にただ此一事のみ劬勞
J18_0243A17: に思ひしに。去ぬる元文二年の正月。別時念佛を修
J18_0243B18: する第四日の夜。亥の剋ばかりとおぼゆるに。稱名
J18_0243B19: 聲すみて攀縁すべてやみ。恍然として眠に似たり。
J18_0243B20: 時に阿彌陀佛相好殊妙にして。空中に現しまのあた
J18_0243B21: り告給はく。凡夫念佛して極樂に往生することは。
J18_0243B22: 大悲本願神變加持の秘術。不思議法爾の道理なり
J18_0243B23: と。予明かにこれを拜聽し奉り。歡喜身にあまり感
J18_0243B24: 涙袂にみつ。予その時。凡入報土は。既に是本願大
J18_0243B25: 悲の不思議。神變加持の秘術なれば。いかんぞ凡夫
J18_0243B26: の心をもて。その旨趣を量りしるべきやと。豁然と
J18_0243B27: して今宗出離の故實を了得し。機情の解會ここにお
J18_0243B28: いて頓に除ぬ。年來はおのれが機につきて。とやか
J18_0243B29: く思議せしゆゑに。危ぶむこころのやまざりしに。
J18_0243B30: 今本願を仰信すれば。げにもやすき往生なり。それ
J18_0243B31: 石をもて鐵に打合すれば。火必出づ。世間淺近の事
J18_0243B32: すらなほかくのごとく。法爾自然の道理。不可思議
J18_0243B33: なるものなり。いはんや深妙の佛法においてをや。
J18_0243B34: ましていはんや。本願大悲。神變加持の秘術におい

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