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J2710 関通和尚行業記 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0239A01: 意に相應して。稱名勇進に便あるのみにあらず。僧
J18_0239A02: 寶軌範ありて法久く住し。正化長く絶ることなから
J18_0239A03: む。予が微志ここにありと答られけり。かくて師い
J18_0239A04: よいよ律院開創のことを國廳に達しかつ本山に力請
J18_0239A05: せられぬ。およそ國廳に以聞せらるること七十二箇
J18_0239A06: 度。本山に往反せらるる事三十六廻。享保十八年に
J18_0239A07: おこり元文元年にいたるまで。諸の勞苦を經て。や
J18_0239A08: うやく宿望を遂げ。西方寺を轉じて。圓成律寺と名
J18_0239A09: け。慈興山とあらためられける。師事を武府の敬首
J18_0239A10: 和上に啓し。その肖像を迎へて。律院開祖の標凖と
J18_0239A11: なすここに三河國。深見崇福寺の義燈比丘は。博學
J18_0239A12: の義龍明戒の律虎なりしが。すなはち敬首和上の指
J18_0239A13: 揮により。義燈比丘をして。此等に移住せしむこれ
J18_0239A14: より。律語の淸規は。もはら和上に則り。淨業の規約
J18_0239A15: は。一に師に依凖して。持戒念佛の道塲となりける。
J18_0239A16: 師は志願成して後。寺務を遁れて。自行ますます精
J18_0239A17: 勤せらる。延享二年義燈比丘長逝せられければ。可
J18_0239B18: 圓比丘をして席を繼しめ。門人海音をして隨へて奉
J18_0239B19: 律せしめ。後進具して亦この寺の主たらしむ。
J18_0239B20: 師。一期毎歳。臘月日を剋して。佛名禮懺會を修
J18_0239B21: し。また同月晦日の日沒より。正月八日の日中にい
J18_0239B22: たるまで。別時念佛を勤修せらる。すなはち師の創
J18_0239B23: 立せられし寺院。みな恒例の式とせり。元文二年の
J18_0239B24: 正月。師圓成寺の別房にして。別時念佛を修せらる
J18_0239B25: る間に。感得のことありて。本願念佛燧袋鈔の艸稿
J18_0239B26: 成り。寬保三年梓に上せ世に弘めらる。その艸稿の
J18_0239B27: 略にいはく。すでに執持名號。一心不亂と説たまへ
J18_0239B28: ば。唯一向に。稱名の一行に結歸すべきことぞと覺
J18_0239B29: え侍る。とてもわがちからにてならぬ往生なれば。
J18_0239B30: こざかしき心をうちすて。うらうらと本願を信し奉
J18_0239B31: りてとてもかくても。のふ助たまへと。阿彌陀如來
J18_0239B32: へわが身一期を打まかせ。ただ口に南無阿彌陀佛と
J18_0239B33: 唱べし。本願の念佛ひとり立させて。赤子念佛がよ
J18_0239B34: きなり。南無阿彌陀佛と申外に。とあらん。かくあ

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