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J2710 関通和尚行業記 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0238A01: 人。願生の安心を决し。日課念佛を誓約しける。後
J18_0238A02: に師。其一日の法語を筆記し。後世の土産と名つけ
J18_0238A03: て。同法の人にあたへらる。今印版せるこれなり。
J18_0238A04: 師一日。衆に告ていはく。予この西方寺を改めて。
J18_0238A05: 如法の律塲となし。有識の大僧を請じて主席とせん
J18_0238A06: と欲す。汝等みづから機分をはかりて。よく堪んと
J18_0238A07: 思はんものは奉律隨侍し。如法修行すべしと。時に
J18_0238A08: 一僧。 に問ていはく。此寺今規則嚴にして。淨業
J18_0238A09: 榮祖道を輝すに足れり。しかるを。ことさらに改て
J18_0238A10: 律院としたまはむこと。いかなる御意といふことを
J18_0238A11: しらず。また我門の意は。自身を出離無縁と思ひく
J18_0238A12: だして。仰て佛願をたのむを要とするにあらずや。
J18_0238A13: さるを持律とてことごとしくし侍りなば。意樂もま
J18_0238A14: た隨て宗意にたがひやし侍ん。此事いかがに候や
J18_0238A15: と。師答ていはく。それ毘尼住する處には法住し毘
J18_0238A16: 尼廢するところには法廢すといへり。ここに照譽上
J18_0238A17: 人臨末に。當寺を予に附屬し。淨法をして永く絶え
J18_0238B18: ざらしめ。益を無窮にほどこせと。ねもころに遺屬
J18_0238B19: したまひし言の重ければ。予毘尼を當寺に起して。
J18_0238B20: 佛法の壽命を。ここに長久ならしめんと欲するな
J18_0238B21: り。又明律の比丘僧を請じて住持せしめば。これに
J18_0238B22: 親近し。その風を見聞せんもの。おのづから沙門の
J18_0238B23: 止作の事をしり。慚愧を生して。正見實行の門に入
J18_0238B24: るの因縁となるべきか。もし然らは。弊風ここに一
J18_0238B25: 轉し。宗化更に輝をますべしまた持律とてさまをか
J18_0238B26: へば。意樂も隨ひて宗意に背んといふこと。それは
J18_0238B27: 各意に依るべきなり。その戒律に從事せん人。思ひ
J18_0238B28: たまふべきやうは。善導大師のことき。護戒至て謹
J18_0238B29: 密にして。南山讃じて律制に越えたりとす。しかれ
J18_0238B30: どもなほ自身を罪惡生死の凡夫と下して。偏に佛願
J18_0238B31: を仰信したまふ。われらいかにぞわづかに戒律を持
J18_0238B32: て。我慢勝他の念をおこし。事を護律によせて。稱
J18_0238B33: 名正業を懈るべけんやと。かく意を用ひてしかも戒
J18_0238B34: 律を堅持したまはば。ただその自己の意樂よく。宗

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