浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0233A01: | 進し少長ともに別に寢所なく。夜はただ柱によりか |
J18_0233A02: | かりしばらくのほどまどろむばかりなりかくのごと |
J18_0233A03: | くなりければ。下根のものは衆に入といへども居る |
J18_0233A04: | 事月を踰ずして辭しさりき。堪忍んて苦行し始終行 |
J18_0233A05: | 操を變ぜずして隨侍せしは。守西自向還死忍阿獨立 |
J18_0233A06: | 專信乘蓮蓮止海音眞海なといふ人人のみなりける。 |
J18_0233A07: | 西方寺は住持せられし間の行狀大率此類のみ。 |
J18_0233A08: | かくて名あらはれ。人和して近郷の道俗他門まて |
J18_0233A09: | も。靡然として師の化に歸し。稱號を誓約して吉水 |
J18_0233A10: | の正意を得數遍の稱名を勤め。また師に隨て得度受 |
J18_0233A11: | 戒するもの老若男女をわかたず。日を追ていやまさ |
J18_0233A12: | りけり。これによりて師。月月に一度元祖大師の七 |
J18_0233A13: | 箇條の起請文を講演し。專念の行を激勸せられけ |
J18_0233A14: | る。ここに天魔やきそひけん他門の徒。化益の盛ん |
J18_0233A15: | なるをそねみて師に歸する男女を促して一處にあ |
J18_0233A16: | つめ。數遍の稱名を勤ることを嚴制す。無智の男女こ |
J18_0233A17: | れに驚怖して日頃つとめし念佛をやむるもあり。又 |
J18_0233B18: | たとひ死刑流罪に行わるるともなにぞ此一大事の行 |
J18_0233B19: | を廢せんやとて。いよいよ意を堅して念佛相續する |
J18_0233B20: | ものもありければ。謗家欝陶なほ解ずして瞋憎のあ |
J18_0233B21: | まり。師の行狀及説法のことにつき。巧て種種の過失 |
J18_0233B22: | を誣て書つらね。普く世に披露し惡口罵言するこ |
J18_0233B23: | と甚しく。それのみならずつひに國廳に讒訴しけれ |
J18_0233B24: | ば。師を召れて謗家の訴訟をもて糺斷ありしに。師 |
J18_0233B25: | 宗宗の建立その意趣別ありとて應答一一著明なりし |
J18_0233B26: | かば。謗家は呵責を蒙り師も訴訟の根本に坐せられ |
J18_0233B27: | て。五十日閉戸の禁にあはれける。此において隨從の |
J18_0233B28: | 門人篤信の行者等。師の化盛の壅塞することをなげき |
J18_0233B29: | 他の無道なることを恨む。師これを制せられけるは汝 |
J18_0233B30: | 等愼て他をうらむることなかれ。此難全く他より來る |
J18_0233B31: | にあらず予か不德なるによりておこれるなり。また |
J18_0233B32: | 思ふにこの障難予が廣度衆生の大願を成滿する先兆 |
J18_0233B33: | にもあらんか。しかし志を剋して自行を勵んにはと |
J18_0233B34: | て。すなはち閉關五十日のあいた誓て別時念佛を勤 |