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J2710 関通和尚行業記 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0233A01: 進し少長ともに別に寢所なく。夜はただ柱によりか
J18_0233A02: かりしばらくのほどまどろむばかりなりかくのごと
J18_0233A03: くなりければ。下根のものは衆に入といへども居る
J18_0233A04: 事月を踰ずして辭しさりき。堪忍んて苦行し始終行
J18_0233A05: 操を變ぜずして隨侍せしは。守西自向還死忍阿獨立
J18_0233A06: 專信乘蓮蓮止海音眞海なといふ人人のみなりける。
J18_0233A07: 西方寺は住持せられし間の行狀大率此類のみ。
J18_0233A08: かくて名あらはれ。人和して近郷の道俗他門まて
J18_0233A09: も。靡然として師の化に歸し。稱號を誓約して吉水
J18_0233A10: の正意を得數遍の稱名を勤め。また師に隨て得度受
J18_0233A11: 戒するもの老若男女をわかたず。日を追ていやまさ
J18_0233A12: りけり。これによりて師。月月に一度元祖大師の七
J18_0233A13: 箇條の起請文を講演し。專念の行を激勸せられけ
J18_0233A14: る。ここに天魔やきそひけん他門の徒。化益の盛ん
J18_0233A15: なるをそねみて師に歸する男女を促して一處にあ
J18_0233A16: つめ。數遍の稱名を勤ることを嚴制す。無智の男女こ
J18_0233A17: れに驚怖して日頃つとめし念佛をやむるもあり。又
J18_0233B18: たとひ死刑流罪に行わるるともなにぞ此一大事の行
J18_0233B19: を廢せんやとて。いよいよ意を堅して念佛相續する
J18_0233B20: ものもありければ。謗家欝陶なほ解ずして瞋憎のあ
J18_0233B21: まり。師の行狀及説法のことにつき。巧て種種の過失
J18_0233B22: を誣て書つらね。普く世に披露し惡口罵言するこ
J18_0233B23: と甚しく。それのみならずつひに國廳に讒訴しけれ
J18_0233B24: ば。師を召れて謗家の訴訟をもて糺斷ありしに。師
J18_0233B25: 宗宗の建立その意趣別ありとて應答一一著明なりし
J18_0233B26: かば。謗家は呵責を蒙り師も訴訟の根本に坐せられ
J18_0233B27: て。五十日閉戸の禁にあはれける。此において隨從の
J18_0233B28: 門人篤信の行者等。師の化盛の壅塞することをなげき
J18_0233B29: 他の無道なることを恨む。師これを制せられけるは汝
J18_0233B30: 等愼て他をうらむることなかれ。此難全く他より來る
J18_0233B31: にあらず予か不德なるによりておこれるなり。また
J18_0233B32: 思ふにこの障難予が廣度衆生の大願を成滿する先兆
J18_0233B33: にもあらんか。しかし志を剋して自行を勵んにはと
J18_0233B34: て。すなはち閉關五十日のあいた誓て別時念佛を勤

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