浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0117A01: | 部經念佛六萬遍。伹し三部經は。日課に修せんとおもばれしかは。兼てことことく暗誦せられきとぞ一 |
J18_0117A02: | 阿彌陀經三卷念佛六萬遍。一一向專稱十萬遍。一同 |
J18_0117A03: | 八萬遍一同七萬遍。已上六鬮右者出離生死一大事の行業 |
J18_0117A04: | なれは。いかにも佛意を伺ひ奉りて。これを定むへ |
J18_0117A05: | しと。既に御鬮を持て佛前に參られけるが。不圖思 |
J18_0117A06: | ひ出され。不足ながらも一向專稱六萬遍の聖鬮をも |
J18_0117A07: | 入れ申さんと。立歸りて六萬徧の御鬮を入れ。すな |
J18_0117A08: | はち七本の御鬮を寶前に捧げ。護念經を讀誦し。至 |
J18_0117A09: | 心に念佛して。如來の大悲證明を請ひ奉り。目をふ |
J18_0117A10: | さぎ。手に信せて一鬮を取り。退きて拜見せられ |
J18_0117A11: | けるに。一向專稱六萬遍の聖鬮なり。時に師心大に |
J18_0117A12: | 不足におもひ。物體なき事ながら。凡情の淺猿さ |
J18_0117A13: | は。疑念なきにあらずと。重て祈請して。右七本の |
J18_0117A14: | 御鬮を中に投擧げ。手を出して受られしかは一本の |
J18_0117A15: | 御籖すなはち掌に留る。これを拜見せられしに。亦 |
J18_0117A16: | 一向專念六萬遍の御鬮なり。いとありがたき事に思 |
J18_0117A17: | ひ。此時信心肝に銘じ。立地に助業を省きて。一向 |
J18_0117B18: | 稱名に結歸し。長日六萬遍の行者とぞなられ侍る。 |
J18_0117B19: | 其後一兩年の間は。何角と障る事なとありて。六萬 |
J18_0117B20: | 遍をだに。やうやう勤められし事度度なりき。この |
J18_0117B21: | 時始て佛意の御計ひ。聖鬮の由あること。身に染て貴 |
J18_0117B22: | く覺え侍りきと其後草庵籠居以來。修しやすきま |
J18_0117B23: | ま。此上は數遍を增修せん事。更に佛意に違すべき |
J18_0117B24: | にあらずと。漸漸加增ありて。後には十萬以上を修 |
J18_0117B25: | せられぬ。其次第下卷に載る所の一期修行畧記の如 |
J18_0117B26: | し。師平日晝夜不臥にして。沐浴便利の外法衣を脱 |
J18_0117B27: | がず。便利食時の外念珠を廢せず。息むなしく黈は |
J18_0117B28: | ず。或は名號を書し。或は稀に書籍に對せらるる折 |
J18_0117B29: | にも。一手にはかならず念珠を放たず。口に佛號や |
J18_0117B30: | むことなし。もし剃髮沐浴の折には。指を屈して數を |
J18_0117B31: | 記す。いはんや餘の作務の時をや。常にかくありけ |
J18_0117B32: | れば。大樣十萬已上に及べり。嗚呼古德の厲行とい |
J18_0117B33: | ふも。あにこれに尚ることあらんやと覺ゆ。然して其 |
J18_0117B34: | 課佛の相。六字を慥かに稱へて字字分明なり。一稱 |