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J2530 称念上人行状記 妙阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0670A01: 時の人貪愛の欲にほだされたがひに爭ひ戰ひ或は他
J17_0670A02: にこびへつらひいつはりをなしあしき敎を信しみつ
J17_0670A03: から惱亂せるは是煩惱濁なり往古は人の壽命もなが
J17_0670A04: かりしに末世當今は百歳にみてるものまれに成はつ
J17_0670A05: るは皆殺生等の惡業多きか故次第に壽を減すすなは
J17_0670A06: ち今五五百歳の第五の五百年のすえにて世間出世鬪
J17_0670A07: 諍堅固の世の中なりしゆへ念佛の一行をのぞきて生
J17_0670A08: 死を出離すへき道なく彼聖道の敎もみな釋尊の敎な
J17_0670A09: りしかと佛のみのりに種種ありし事は衆生一ならさ
J17_0670A10: るかゆへ也機と法と相應せさるときは利益なし聖道
J17_0670A11: の敎は正像の機には相應すといへとも末法の機には
J17_0670A12: 相應せすたとへは帝王の宣旨に東國へ下と西國へ下
J17_0670A13: との二通あるとき西の宣旨を東へ遣し東の宣旨を西
J17_0670A14: へをくるかことくともに天子の宣旨なれとも皆無益と
J17_0670A15: なるかことく西の宣旨は西にゆき東の宣旨は東にゆく
J17_0670A16: 時は相應してその趣辨する事すみやかなり稱名念佛
J17_0670A17: の一行よく時にかなひ機に應する事彼宣旨の違はさ
J17_0670B18: るが如くしかあれは時機相應の他力本願に乘しぬれ
J17_0670B19: は別に學問も道理も要にあらす更に身の淨不淨を撰
J17_0670B20: はす時處所縁を問はすたた一筋に敎にまかせて唱る
J17_0670B21: 外に別の子細なしこれによりて目連所問經に佛説て
J17_0670B22: 宣はく世間高貴富樂自在の者ありといへとも生老病
J17_0670B23: 死を免かるる事を得す譬ば百川に浮へる草芥の前は
J17_0670B24: あとをかえりみす後はさきをかへりみすすべて大海
J17_0670B25: におもむくがごとし我説無量壽佛國は修しやすく取
J17_0670B26: やすしとまた龍樹菩薩は十住論に易行道は但信佛の
J17_0670B27: 因縁を以て願生すれは佛願力に乘して便ち淸淨土に
J17_0670B28: 生する事を得ると又嘉祥大師は十念成就すれは即往
J17_0670B29: 生を得ると故に是を易行易修の法といふ機法相應す
J17_0670B30: る時は利益むなしからす必す淨土に願生し玉へとあ
J17_0670B31: りけれは將軍能能領納ましまし生來かかる有かたき
J17_0670B32: 御法に逢事なかりき畢命を期として念佛を行せんと
J17_0670B33: 安心决定の體に見えさせ給ひけれは上人又宣はく大
J17_0670B34: 經には雖一世勤苦須臾之間後生無量壽佛國と仰られ

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