浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0667A01: | しは拜閲すれば意味の深長を覺ゆたとひ漢子愚婦 |
J17_0667A02: | といへども此語を翫味しまめやかに念佛を修すれ |
J17_0667A03: | は出離生死のよき媒報土得生の規矩となりぬへし |
J17_0667A04: | ゆめゆめ輕んずべからず。 |
J17_0667A05: | 御臨終奇瑞の事 |
J17_0667A06: | 記云天文二十三年甲寅の秋七月初より上人御氣色例 |
J17_0667A07: | ならすましませは能信稱憶をはしめとして門人打あ |
J17_0667A08: | つまり藥餌は勿論瞻病怠る事なく奉事心をつくされ |
J17_0667A09: | けるときに上人宣はくわか往生遠からす年來の本 |
J17_0667A10: | 意をとけん事曠劫の大慶なりとて稱名の御聲こと更勇 |
J17_0667A11: | 猛に日頃に倍してはげみ玉ひぬ七月十七日衆に示し |
J17_0667A12: | て云我か命終今日より後三日ならんと遂に十九日に |
J17_0667A13: | いたり淨衣を著し病床へ阿彌陀佛の尊像を迎へ奉り |
J17_0667A14: | 頭北面西にして高聲念佛し玉ふ事しきりなり此事四 |
J17_0667A15: | 方にひびきぬれは日頃歸依の道俗來集せる事多かり |
J17_0667A16: | き中にも大覺寺御門主には御歸依他にことならせ玉 |
J17_0667A17: | へば斯ときこし召尊輿をはせて來臨ましまし上人の |
J17_0667B18: | 枕のほとりに立よらせ給ひ臨終の智識となり玉ふぞ |
J17_0667B19: | ありがたき其外公卿殿上人をはじめ上人の門葉悉く |
J17_0667B20: | 來會せり時に上人宣はく極樂海會の聖衆來迎し玉ふ |
J17_0667B21: | 又五智如來寶蓮に坐し紫雲に乘して來現し給ふ各各 |
J17_0667B22: | 拜見し奉るやと仰ありし不思議なるかな本尊の白毫 |
J17_0667B23: | より光明を放ち上人の頂を照し玉ふと異香室に薰じ |
J17_0667B24: | 音樂そらにひびき正しく終焉の期にいたり稱名の御 |
J17_0667B25: | 聲いとかすかに午の正中安然として遷化し給ふ享年 |
J17_0667B26: | 四十二夏臘三十五にならせ給ひき斯て華頂山に紫雲 |
J17_0667B27: | 靉靆し往生し玉ふこと遠近にかくれなかりしかは日頃 |
J17_0667B28: | 歸依深かりける貴賤雲のことく集り闇夜に燈火きえ渡 |
J17_0667B29: | りに船をうしなふここちして御名殘をおしみ奉らさ |
J17_0667B30: | るはなし遂に棺槨に斂め奉り遺命に依て葬式等朴質 |
J17_0667B31: | に執行ひ元祖大師御廟の邊に葬り奉りぬ。 |
J17_0667B32: | ○能信和尚ハ桂極樂寺第二世ナリ亦稱憶和尚ハ始終當院ニ勤テ命過アリ縁蓮社善譽ト號ス此兩和尚倶ニ上人ノ御弟子ナリ藥餌ハ藥ト食事トヲ司ル○五智ノ如來トハ問專修念佛一行ノ人往生ノ瑞ヲ現ス則チ彌陀ノ一尊來迎アルヘシ何ソ五智ノ如來現前シ玉フ耶答 |