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J2530 称念上人行状記 妙阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0666A01: 書與し給ひしとぞつらつら御詠歌の御こころを案し
J17_0666A02: 奉るに穢土をはなれ極樂に往生せは佛願力に依て三
J17_0666A03: 十二相を具し金色のはだへとなり舊住の薩埵となら
J17_0666A04: ひ坐するにはづかしからぬ身となりなんこそおもひ
J17_0666A05: 出なるべきにかかる淺ましき此界になれし不淨のす
J17_0666A06: かたを繪にうつしもて世にのこすはいはゆる臭を千
J17_0666A07: 載に傳るなりと覺召御心にやと推はかり奉りていと
J17_0666A08: ありがたし。
J17_0666A09: 上人法語の事
J17_0666A10: 法然上人ののたまはく四修三心をさたする事は一向
J17_0666A11: 專修になるまての事なり一向專修になり終りぬれは
J17_0666A12: 別に四修三心の沙汰なし一向專修になさんはかりな
J17_0666A13: り念佛者に成終りぬれは只相續して往生を待はかり
J17_0666A14: なり身をかへりみ心をかへり見て往生と悅も別の心
J17_0666A15: を發するにてあり惡きに付て今度の往生は大事と思
J17_0666A16: ふも別の心を發すにてあるなり唯よしあしをかへり
J17_0666A17: みすして申せは極樂に生るると心得て今より後臨終ま
J17_0666B18: で平に南無阿彌陀佛と唱へ玉ふへきなりたとひ信心
J17_0666B19: かひなく稱名よはくなるとも只决定往生の思ひをも
J17_0666B20: ち玉ふべし若往生は大事なりと底にて恐るる心あら
J17_0666B21: ば又別の心を發にてあるなり斯いへばとて惡きも往
J17_0666B22: 生なり信行甲斐なき程の弱も往生するなりと思ふも
J17_0666B23: また別の心を發にてあるなり只唱ふる念佛にて往生
J17_0666B24: の定不定は定へし身持にてもさたむへからず心持に
J17_0666B25: てもさたむへからす聽聞にてもさたむへからす相傳
J17_0666B26: にても定へからす唯唱ふる念佛にてさたむるか往生
J17_0666B27: 人の身持なり心持なり聽聞なり相傳なり知識也淨土
J17_0666B28: 宗なり能き同行なり此外何にても存せす候穴賢あな
J17_0666B29: 賢。
J17_0666B30: 又私の本尊なり異香なり紫雲なり佛法の深奧は只南
J17_0666B31: 無阿彌陀佛南無阿彌陀佛已上
J17_0666B32: 夫上人法語の中にも此語は一向專修の四字を和解
J17_0666B33: して末代の行者に蒙らしむる秀逸の語なりけれは
J17_0666B34: 大師の遺誓にもおとるましき程の御法語なりしは

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