浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0666A01: | 書與し給ひしとぞつらつら御詠歌の御こころを案し |
J17_0666A02: | 奉るに穢土をはなれ極樂に往生せは佛願力に依て三 |
J17_0666A03: | 十二相を具し金色のはだへとなり舊住の薩埵となら |
J17_0666A04: | ひ坐するにはづかしからぬ身となりなんこそおもひ |
J17_0666A05: | 出なるべきにかかる淺ましき此界になれし不淨のす |
J17_0666A06: | かたを繪にうつしもて世にのこすはいはゆる臭を千 |
J17_0666A07: | 載に傳るなりと覺召御心にやと推はかり奉りていと |
J17_0666A08: | ありがたし。 |
J17_0666A09: | 上人法語の事 |
J17_0666A10: | 法然上人ののたまはく四修三心をさたする事は一向 |
J17_0666A11: | 專修になるまての事なり一向專修になり終りぬれは |
J17_0666A12: | 別に四修三心の沙汰なし一向專修になさんはかりな |
J17_0666A13: | り念佛者に成終りぬれは只相續して往生を待はかり |
J17_0666A14: | なり身をかへりみ心をかへり見て往生と悅も別の心 |
J17_0666A15: | を發するにてあり惡きに付て今度の往生は大事と思 |
J17_0666A16: | ふも別の心を發すにてあるなり唯よしあしをかへり |
J17_0666A17: | みすして申せは極樂に生るると心得て今より後臨終ま |
J17_0666B18: | で平に南無阿彌陀佛と唱へ玉ふへきなりたとひ信心 |
J17_0666B19: | かひなく稱名よはくなるとも只决定往生の思ひをも |
J17_0666B20: | ち玉ふべし若往生は大事なりと底にて恐るる心あら |
J17_0666B21: | ば又別の心を發にてあるなり斯いへばとて惡きも往 |
J17_0666B22: | 生なり信行甲斐なき程の弱も往生するなりと思ふも |
J17_0666B23: | また別の心を發にてあるなり只唱ふる念佛にて往生 |
J17_0666B24: | の定不定は定へし身持にてもさたむへからず心持に |
J17_0666B25: | てもさたむへからす聽聞にてもさたむへからす相傳 |
J17_0666B26: | にても定へからす唯唱ふる念佛にてさたむるか往生 |
J17_0666B27: | 人の身持なり心持なり聽聞なり相傳なり知識也淨土 |
J17_0666B28: | 宗なり能き同行なり此外何にても存せす候穴賢あな |
J17_0666B29: | 賢。 |
J17_0666B30: | 又私の本尊なり異香なり紫雲なり佛法の深奧は只南 |
J17_0666B31: | 無阿彌陀佛南無阿彌陀佛已上 |
J17_0666B32: | 夫上人法語の中にも此語は一向專修の四字を和解 |
J17_0666B33: | して末代の行者に蒙らしむる秀逸の語なりけれは |
J17_0666B34: | 大師の遺誓にもおとるましき程の御法語なりしは |