浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0665A01: | 退て三拜してあれは十念を出し玉ふ扨數珠をさらさ |
J17_0665A02: | らともみ給ふをきくとすなはち夢さめぬ是も知恩院 |
J17_0665A03: | 參籠祖師の内證に叶ひぬるにやとおもひけり又極樂 |
J17_0665A04: | 往生いよいよ決定の金札を拜すると思ひ感涙せり又 |
J17_0665A05: | 扇の地紙は風を持用あり西方は風の方金色は彼土依 |
J17_0665A06: | 正金剛不壞の義を表す深意なりと愚案せり又一義を |
J17_0665A07: | 案していはは扇は能風を生す稱名また息風を以てな |
J17_0665A08: | す是則念佛三昧成就の奇瑞往生極樂の業成と覺えた |
J17_0665A09: | り隨聲見佛なれは息聲すなはち念佛なりと云云。 |
J17_0665A10: | ○夢者就之眞妄假實アリ内外ノ二典其義マチマチナリ迦葉佛ノ父十夢ノ不祥又十夢經ニ説玉フ波斯匿王十種ノ夢七難ノ七夢或周禮ニハ六夢ヲ記シ列子ニ六侯トイヒ正夢ハ先兆ノ夢ナリト假實有コトヲ述セリ具ニハ義楚六帖等ニ採集セルカ如シ予是等ノ御夢ノ記ヲ拜スル毎ニ不覺ニ涙雙眼ニウカヒ骨髓ニ徹シテ催ス嗚呼上人ノ德光仰ハ彌高鑚ハマスマスカタシゲニタダウドニハマシマサジ往往古人記ストコロワケテ此ノ御夢ノ記ヲ拜見スルニ皆是眞夢ニシテ妄夢ニ非ズ彼金剛經ニ如夢幻泡影ト説玉ヘルハ妄夢ニ約シ又雙觀經ノ夢見彼佛等ハ是眞夢ナリ又上人夢ノ記トナシ玉ヘトモ怕クハ是念佛三昧定中ノ所見ナランタタ其德ヲツツミ玉フユヘナラン正ク天文十六年十一月廿四日同廿五日同十七年七月十四日同十月 |
J17_0665B11: | 十三日十一月廿九日ノ記ニハ夢トモシルシ玉ハス明ニ知ル定中所見ノ境界ナルコトヲ尋常ノ擧動深ク德ヲカクシ玉フユヘナラン實三昧發得ノ記トイフベシステニ目ヲ閉憶念スト又目ヲ開テ是ヲ見レハトアリシハ全觀經ノ閉目開目皆了明了ノ觀成ヲ明セル説相ニ符合セリ況ヤ記文ノ終ニ念佛三昧成就ノ奇瑞往生極樂ノ業成ト覺ヘタリト記シ玉フヲヤ業事成辨ハ機ニ隨テ不定ナリ念佛ノ行者往生ノ業障悉ク盡テ當果無礎ノ位ヲ業事成辨トイフ也委ハ述聞口決ニ見エタリサレバ緇白往生傳ニモ彼上人ハ怕クハ口稱三昧發得シ玉フモノカシカラズンハアニ如是ノ奇事アランヤトイヘリ仰テ信ズベシ。 |
J17_0665B12: | 肖像に詠歌を書與し給ふ事 |
J17_0665B13: | 古記云駿州の住人某上人の敎化に依て往生の心行を |
J17_0665B14: | 決定し無二至誠なる稱名の行者也き深く上人の恩德 |
J17_0665B15: | を感荷し眞影をゑかかせ奉りて申さく若小子に先た |
J17_0665B16: | ち御往生ましまさは此尊影を御形見になし奉らん願 |
J17_0665B17: | は御賛をとこひねがひ侍りけれは上人とりあへす一 |
J17_0665B18: | 首の和歌を詠し給ひすなはち寫照の上に題し玉ふ。 |
J17_0665B19: | つらかりし浮世になれし我すかた |
J17_0665B20: | 畵にかきうつす人もうらめし |
J17_0665B21: | 或記に此御詠歌は樹敬寺にいませしとき需に應して |