浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0664A01: | は圓光現する事あり其色黄金のことくなり同廿五日中 |
J17_0664A02: | 夜のころ念佛すれは光明身を繞と覺えたり。 |
J17_0664A03: | 天文十七年七月十四日の曉二十五の菩薩坐像の來迎 |
J17_0664A04: | を見奉る天衣莊嚴明なり。 |
J17_0664A05: | 同年四月十一日の曉知恩院居住の砌なりき夢に道を |
J17_0664A06: | 行は後に山あり能見れは京の西山なり是則西方の空 |
J17_0664A07: | よと拜したりしかは山の中ほとに彌陀如來光明赫奕 |
J17_0664A08: | として坐し給ひ其形色微妙にして言語に述かたく二 |
J17_0664A09: | 十五の菩薩は上下山の間に面面に坐し玉ふを見奉り |
J17_0664A10: | さてもさても生身の彌陀如來二十五の菩薩を拜み奉る |
J17_0664A11: | ありかたさと思ひ田の疇に倒れ臥して禮し奉り身の |
J17_0664A12: | 毛よたちて殊勝さかきりなかりき則覺て後涙を催す |
J17_0664A13: | 事度度なり扨夢中に少しも違はす慧心の御筆の二十 |
J17_0664A14: | 五の菩薩を往生院の内妓王の舊跡草庵の佛壇後壁に |
J17_0664A15: | かけたるを拜みて彌信心決定す。 |
J17_0664A16: | 同年十月八日より洛中法然寺にして別時念佛ありき |
J17_0664A17: | 其中十三日の夜善導大師より何やらんあまき物を給 |
J17_0664B18: | はりて口に味ひしと見る。 |
J17_0664B19: | 同年十一月二十九日の曉日輪の中に彌陀の坐像まし |
J17_0664B20: | まし大なる光りを放ち給ふと見る。 |
J17_0664B21: | 同年極月十六日の曉古き堂へ參りてあれは老僧出て |
J17_0664B22: | 法然上人御自筆の一枚起請を拜すへしとすてに拜し |
J17_0664B23: | て土地堂の方をなかむれは法然上人坐し給へり壇の |
J17_0664B24: | きはへさしよりて見奉れは數珠の緖を入てはけにて |
J17_0664B25: | 墨をぬり給ふ其とき予か申樣彌陀の本願により名號 |
J17_0664B26: | を唱へ極樂へ參り候はん事滿足にて候と兩三度手を |
J17_0664B27: | 合ておし返しおし返し申けれは上人少し笑ひ玉ひて打う |
J17_0664B28: | なつき玉ふ扨も扨も殊勝さよと思ひて拜み奉る處に |
J17_0664B29: | 汝に大事のものをとらせんと仰らるる畏り奉りしと |
J17_0664B30: | 申けれは扇の地紙のことくなるもの少しさき黑く金色 |
J17_0664B31: | なるを十枚斗紙に包みて給はる是を請とり奉りて懷 |
J17_0664B32: | に入申さんやと申て懷を手にてほとほとと打て見せ |
J17_0664B33: | 奉りけれは中なかと仰られける扨愚か扇のふるひた |
J17_0664B34: | るを壇に置けるをは是は此方に置とて取玉ふ其後立 |