浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J17_0663A01: | と思ひ立事侍りき所は武藏國江戸天智庵なり然に十 |
J17_0663A02: | 六日の曉天夢見らく庭に立出見れは西の空より庵の |
J17_0663A03: | うへ二道の光明さし來るあまり殊勝におほえて合掌 |
J17_0663A04: | し目を閉て歡喜念佛す目を開き見れは客殿の内光明 |
J17_0663A05: | 赫奕として光り四方に餘れり又目を閉て念佛すとお |
J17_0663A06: | ほえて夢覺ぬ是別時念佛の奇瑞ならんか其後知恩院 |
J17_0663A07: | に參りたれは善導の曼陀羅有けり其中に雲中より光 |
J17_0663A08: | 明出現せるをゑかく夢中の所見に相似てもつとも有 |
J17_0663A09: | かたし。 |
J17_0663A10: | 同十三年十二月廿五日の曉勢州細汲の樹敬寺方丈に |
J17_0663A11: | 住せしとき室内光明耀り涙をながし念佛すと思ひた |
J17_0663A12: | り。 |
J17_0663A13: | 同十四年二月七日彼岸の日中に大原問答を講せしに |
J17_0663A14: | しばらく法義を思惟しけるとき忽然として眠る時枕 |
J17_0663A15: | の上間半ばかりの佛壇ありて壁に繪像を掛前には本 |
J17_0663A16: | 尊立給へり時に微風ありて繪像の本尊を吹おとす然 |
J17_0663A17: | に前に立玉ふ本尊墨染の衣を着し玉ふか愚か枕のき |
J17_0663B18: | はへ飛をり給へり其時驚き聲をあけて助給へ給へと |
J17_0663B19: | 云て御足をとり奉れはすなはちあたたかにして和か |
J17_0663B20: | なる事言語を以て述かたし餘り殊勝にたうとく覺へ |
J17_0663B21: | 大に落涙し身の毛よたち助給へ給へ給へと云なから |
J17_0663B22: | 目覺ぬ覺て後も二聲はかり助給へと不覺に聲をあけ |
J17_0663B23: | て云たりき能能愚案をめくらすに其時正の法談佛意 |
J17_0663B24: | に相應することありかたく尊く思ひぬ。 |
J17_0663B25: | 天文十六年八月十六日午尅はかりに晝居ねふりして |
J17_0663B26: | けれは西山の麓より雲起て數多の菩薩聖衆段段に立 |
J17_0663B27: | 並ひ玉ふ其めされし衣は天衣ならんと見え給へり。 |
J17_0663B28: | 同年十一月十一日曉の夢に關東神奈川に下向し濱面 |
J17_0663B29: | に立て四方を見れは日輪三ツ出たまふ能く見れは上 |
J17_0663B30: | 總國生實にあたりて金色の彌陀の三尊まします上總 |
J17_0663B31: | 房州の山山に梵天帝釋まします天を見れは菩薩聖衆 |
J17_0663B32: | 限もなく見え給ふさなから曼陀羅のことくなりき西方 |
J17_0663B33: | の空中には際限もなく菩薩見え玉ふ。 |
J17_0663B34: | 同年十一月廿四日の曉念佛して目を閉て憶念し奉れ |