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J2530 称念上人行状記 妙阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0663A01: と思ひ立事侍りき所は武藏國江戸天智庵なり然に十
J17_0663A02: 六日の曉天夢見らく庭に立出見れは西の空より庵の
J17_0663A03: うへ二道の光明さし來るあまり殊勝におほえて合掌
J17_0663A04: し目を閉て歡喜念佛す目を開き見れは客殿の内光明
J17_0663A05: 赫奕として光り四方に餘れり又目を閉て念佛すとお
J17_0663A06: ほえて夢覺ぬ是別時念佛の奇瑞ならんか其後知恩院
J17_0663A07: に參りたれは善導の曼陀羅有けり其中に雲中より光
J17_0663A08: 明出現せるをゑかく夢中の所見に相似てもつとも有
J17_0663A09: かたし。
J17_0663A10: 同十三年十二月廿五日の曉勢州細汲の樹敬寺方丈に
J17_0663A11: 住せしとき室内光明耀り涙をながし念佛すと思ひた
J17_0663A12: り。
J17_0663A13: 同十四年二月七日彼岸の日中に大原問答を講せしに
J17_0663A14: しばらく法義を思惟しけるとき忽然として眠る時枕
J17_0663A15: の上間半ばかりの佛壇ありて壁に繪像を掛前には本
J17_0663A16: 尊立給へり時に微風ありて繪像の本尊を吹おとす然
J17_0663A17: に前に立玉ふ本尊墨染の衣を着し玉ふか愚か枕のき
J17_0663B18: はへ飛をり給へり其時驚き聲をあけて助給へ給へと
J17_0663B19: 云て御足をとり奉れはすなはちあたたかにして和か
J17_0663B20: なる事言語を以て述かたし餘り殊勝にたうとく覺へ
J17_0663B21: 大に落涙し身の毛よたち助給へ給へ給へと云なから
J17_0663B22: 目覺ぬ覺て後も二聲はかり助給へと不覺に聲をあけ
J17_0663B23: て云たりき能能愚案をめくらすに其時正の法談佛意
J17_0663B24: に相應することありかたく尊く思ひぬ。
J17_0663B25: 天文十六年八月十六日午尅はかりに晝居ねふりして
J17_0663B26: けれは西山の麓より雲起て數多の菩薩聖衆段段に立
J17_0663B27: 並ひ玉ふ其めされし衣は天衣ならんと見え給へり。
J17_0663B28: 同年十一月十一日曉の夢に關東神奈川に下向し濱面
J17_0663B29: に立て四方を見れは日輪三ツ出たまふ能く見れは上
J17_0663B30: 總國生實にあたりて金色の彌陀の三尊まします上總
J17_0663B31: 房州の山山に梵天帝釋まします天を見れは菩薩聖衆
J17_0663B32: 限もなく見え給ふさなから曼陀羅のことくなりき西方
J17_0663B33: の空中には際限もなく菩薩見え玉ふ。
J17_0663B34: 同年十一月廿四日の曉念佛して目を閉て憶念し奉れ

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