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J2530 称念上人行状記 妙阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0660A01: 四一向專修の行者たちは一心に往生極樂を願もの深
J17_0660A02: く慢心をやめ彌卑下心を持ち三寶を恭敬し奉るへき
J17_0660A03: 事。
J17_0660A04: 右心に自他一切の三寶を仰き奉るといへるも身口
J17_0660A05: に行し奉るときは念佛一願一行なり故に懷感禪師
J17_0660A06: 云善導和尚は但行西方一行一願といへりしかのみ
J17_0660A07: ならす念佛の行者に於ては十方恒沙の諸佛一切諸
J17_0660A08: 菩薩梵天帝釋四天大王龍神八部隨逐影護し愛樂相
J17_0660A09: 見し玉ふと阿彌陀經十往生經觀經般舟三昧經等に
J17_0660A10: 見へたり若少分も憍慢心を生ぜばたとひ念佛する
J17_0660A11: とも往生すべからず若憍慢心を生ぜば罪を得る事
J17_0660A12: 窮りなし故にすべからく惣して敬で行の障りを除
J17_0660A13: くへし。
J17_0660A14: 五日本國大小の諸神を敬ひ奉るへき事
J17_0660A15: 右我朝の大小の神祗垂迹和光の御本意は偏に佛法
J17_0660A16: 守護結縁利物の爲也尤崇重し奉るへし何そ大小の
J17_0660A17: 權化にそむき奉らんや但參詣せしむといへとも心
J17_0660B18: 中に名利の祈請有べからす或は信心護念の爲或は
J17_0660B19: 神德を莊嚴し奉らんため也かく申せはとて念佛の
J17_0660B20: 行者強て神明に歸し淨水を浴し行詣を重くし幤帛
J17_0660B21: を捧くべきにあらず只是神明をかろんしきらひさ
J17_0660B22: け奉らざれとなり。
J17_0660B23: 六今生存命の間は萬事因果の道理に任せ強に世を歎
J17_0660B24: くへからす深く人を恨むへからす。
J17_0660B25: 右壽命の長短果報の淺深皆宿業による敢てこれを
J17_0660B26: 悲しむ事なかれ大經にいはく神明記識玉ひて犯す
J17_0660B27: ものをはゆるし給はす故に貧窮下賤乞匃孤獨聾盲
J17_0660B28: 瘖瘂愚癡弊惡なるあり又尊貴豪富高才明達なるあ
J17_0660B29: り皆宿世慈孝修善積德のいたす所によると説給へ
J17_0660B30: り又觀經にも深く因果を信せよと宣説あり釋にも
J17_0660B31: 若苦の因をなせはすなはち苦の果を感し若樂の因
J17_0660B32: をなせはすなはち樂の果を感ず泥土にて鑄形をな
J17_0660B33: せは其かたち鑄かたのことくに成かことく因果報應
J17_0660B34: たかふ事なしとい〓りされは何事も皆是宿業なり

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