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J2530 称念上人行状記 妙阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0657A01: かる勝縁に逢奉る事小縁ならぬ因縁なりと諸人歡喜
J17_0657A02: 踊躍して市のごとくにぞありける。
J17_0657A03: 上人肖像及念珠舍利の事
J17_0657A04: 正定院開基福田三良左衞門尉家久はふかく上人に歸
J17_0657A05: 投して他事なく殊に大八木氏と力を合せしがなをも
J17_0657A06: 淨金居士解脱のために田園を捨て此一寺を建立し信
J17_0657A07: 心堅固に聞え侍る或とき家久畫工をして上人の肖像
J17_0657A08: をうつさせ賛辭を請ひけるに上人みつから其似さる
J17_0657A09: 所をただし善導大師禮讃の彼佛今現在世成佛當知本
J17_0657A10: 誓重願不虚衆生稱念必得往生といへる文を題し玉ふ
J17_0657A11: あらかじめ第一章に記せるかことく上人自の號によび
J17_0657A12: 給へるも此釋文に稱念必得往生と侍るにもとつき玉
J17_0657A13: ふと見えたりされは自像の賛にも用ひ玉へる事げに
J17_0657A14: 御行狀の始終名實かなひましましていと有難くたう
J17_0657A15: としむかしより自畫自賛の御影と稱して今に傳持し
J17_0657A16: て正定院の什寶なり此記のはしめに圖せる肖像はす
J17_0657A17: なはち此眞影を寫して結縁せしむされは家久は上人
J17_0657B18: 入滅の後二十六年經て天正四年五月二十六日正念に
J17_0657B19: じて往生の瑞相を顯はしける專譽淨安居士と號する
J17_0657B20: は是也又或人上人のもとへ琥珀の玉をまじへし念珠
J17_0657B21: を持來りて願は此念珠をしはらく用ひ玉ひて日を經
J17_0657B22: て後われに授與し玉へと申けれは上人首肯し給ひて
J17_0657B23: それより其念珠にて日課を御勤ましまし數月の後望
J17_0657B24: のごとく授與ありけるに信士頂戴し如來より直授の
J17_0657B25: 思ひをなしかきりなく崇重してますます勤めけるに
J17_0657B26: 年經て後彼琥珀より白色の舍利のことくなる玉分化
J17_0657B27: し玉ふよそほひ見へけるにはたして月を經て後分離
J17_0657B28: し給ふを塔に納て信仰せるに其色全く白銀のごとく
J17_0657B29: にして光明あり彼人は本意のことく正念命終し沒後念
J17_0657B30: 持しける數珠を正定院に奉納しけり今に傳へて什寶
J17_0657B31: とす近頃正定院にいたりてまのあたり是を拜するに
J17_0657B32: 彼琥珀糸穴の内に靑色の玉分化ありて其勢ひ穴を出
J17_0657B33: んとするがごとく見へけるゆへ現住敎譽をして細き
J17_0657B34: 木をもちて推し出さしむるにたちまち分離し出給へ

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