浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J17_0657A01: | かる勝縁に逢奉る事小縁ならぬ因縁なりと諸人歡喜 |
J17_0657A02: | 踊躍して市のごとくにぞありける。 |
J17_0657A03: | 上人肖像及念珠舍利の事 |
J17_0657A04: | 正定院開基福田三良左衞門尉家久はふかく上人に歸 |
J17_0657A05: | 投して他事なく殊に大八木氏と力を合せしがなをも |
J17_0657A06: | 淨金居士解脱のために田園を捨て此一寺を建立し信 |
J17_0657A07: | 心堅固に聞え侍る或とき家久畫工をして上人の肖像 |
J17_0657A08: | をうつさせ賛辭を請ひけるに上人みつから其似さる |
J17_0657A09: | 所をただし善導大師禮讃の彼佛今現在世成佛當知本 |
J17_0657A10: | 誓重願不虚衆生稱念必得往生といへる文を題し玉ふ |
J17_0657A11: | あらかじめ第一章に記せるかことく上人自の號によび |
J17_0657A12: | 給へるも此釋文に稱念必得往生と侍るにもとつき玉 |
J17_0657A13: | ふと見えたりされは自像の賛にも用ひ玉へる事げに |
J17_0657A14: | 御行狀の始終名實かなひましましていと有難くたう |
J17_0657A15: | としむかしより自畫自賛の御影と稱して今に傳持し |
J17_0657A16: | て正定院の什寶なり此記のはしめに圖せる肖像はす |
J17_0657A17: | なはち此眞影を寫して結縁せしむされは家久は上人 |
J17_0657B18: | 入滅の後二十六年經て天正四年五月二十六日正念に |
J17_0657B19: | じて往生の瑞相を顯はしける專譽淨安居士と號する |
J17_0657B20: | は是也又或人上人のもとへ琥珀の玉をまじへし念珠 |
J17_0657B21: | を持來りて願は此念珠をしはらく用ひ玉ひて日を經 |
J17_0657B22: | て後われに授與し玉へと申けれは上人首肯し給ひて |
J17_0657B23: | それより其念珠にて日課を御勤ましまし數月の後望 |
J17_0657B24: | のごとく授與ありけるに信士頂戴し如來より直授の |
J17_0657B25: | 思ひをなしかきりなく崇重してますます勤めけるに |
J17_0657B26: | 年經て後彼琥珀より白色の舍利のことくなる玉分化 |
J17_0657B27: | し玉ふよそほひ見へけるにはたして月を經て後分離 |
J17_0657B28: | し給ふを塔に納て信仰せるに其色全く白銀のごとく |
J17_0657B29: | にして光明あり彼人は本意のことく正念命終し沒後念 |
J17_0657B30: | 持しける數珠を正定院に奉納しけり今に傳へて什寶 |
J17_0657B31: | とす近頃正定院にいたりてまのあたり是を拜するに |
J17_0657B32: | 彼琥珀糸穴の内に靑色の玉分化ありて其勢ひ穴を出 |
J17_0657B33: | んとするがごとく見へけるゆへ現住敎譽をして細き |
J17_0657B34: | 木をもちて推し出さしむるにたちまち分離し出給へ |