ウィンドウを閉じる

J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0677A01: 衆生稱我名號下至十聲等觀念門云若我成佛十方衆
J16_0677A02: 生願生我國稱我名字等云云
J16_0677A03: 所謂觀經の下品下生の機は。佛法世俗の二種の善根
J16_0677A04: なき。無善の凡夫なるゆへに。なにの色どり一もな
J16_0677A05: し。况や死苦にせめられて。忙然となる上は。三業
J16_0677A06: ともに正體なき機也。一期は惡人なる故に。平生
J16_0677A07: の行の。さりともとたのむべきもなし。臨終には死
J16_0677A08: 苦にせめらるる故に。止惡修善の心も。大小權實の
J16_0677A09: さとりも。かつて心にをかず。起立塔像の善も。こ
J16_0677A10: の位にはかなふへからす。捨家棄欲の心も。このと
J16_0677A11: きはおこりがたし。まことに極重惡人なり。更に他
J16_0677A12: の方便ある事なし。もし他力の領解もやある。名號
J16_0677A13: の不思議をもや。念じつへきやと。をしふれとも。
J16_0677A14: 苦にせめられて。次第に失念するあひだ。轉敎口稱
J16_0677A15: して。汝若不能念者應稱無量壽佛といふとき。
J16_0677A16: 意業は忙然となりながら。十聲佛を稱すれば。聲聲
J16_0677A17: に八十億劫生死の罪を滅して。見金蓮華。猶如日輪
J16_0677B18: の益にあづかるなり。この位には機の道心一もなく。
J16_0677B19: 定散の色どり一もなし。ただ知識のをしへにしたが
J16_0677B20: ふばかりにて。別のさかしき心もなくて。白木にと
J16_0677B21: なへて往生するなり。たとへは。をさなきものの手
J16_0677B22: をとりて。物をかかせんがことし。あに小兒の高名
J16_0677B23: ならんや。下下品の念佛も。又かくのことし。ただ
J16_0677B24: 知識と彌陀との御心にて。わづかに口にとなへて。
J16_0677B25: 往生をとぐるなり。彌陀の本願は。わきて五逆深重
J16_0677B26: の人のために。難行苦行せし願行なる故に。失念の
J16_0677B27: 位の白木の念佛に。佛の五劫兆載の願行つづまりい
J16_0677B28: りて。無窮の生死を一念につづめて。僧祇の苦行を
J16_0677B29: 一聲に成ずるなり。
J16_0677B30: ●佛法世俗ノ二種ノ善根トハ世俗ノ五常ハ佛法ノ
J16_0677B31: 五戒ニ同ス廻スレハ遂ニ淨土ノ因トナル孝養父母
J16_0677B32: 奉事師長トイヘル即是ナリ●惘然ハ失志貌字彚
J16_0677B33: 方ナキナリ東京賦五臣カ本ニ惘然ノ字アリ吳季重答
J16_0677B34: 東河王書ニ精散思越惘若有失ト●サリ

ウィンドウを閉じる