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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0678A01: トモタノムトハサハアリトモイカヤウニモアレ捨
J16_0678A02: ハセジナド賴ムナリ千載集ニ式子内親王サリトモ
J16_0678A03: トタノムココロハ神サヒテ久シクナリヌカモノ
J16_0678A04: ミツカキ●轉敎口稱ハ敎ヲカヘテ知識自口稱シテ
J16_0678A05: 彼ヲシテ亦唱ヘシムルナリ●サカシキハ日本紀ニ
J16_0678A06: 賢ノ字也●兆載僧祇ハミナ數ノ多キナリ上ニ見エ
J16_0678A07: タリ
J16_0678A08: 又大經の。三寶滅盡の時の念佛も。白木の念佛なり。
J16_0678A09: その故は。大小乘の經律論。みな龍宮におさまり。
J16_0678A10: 三寶ことことく滅しなん。閻浮提には。唯冥冥たる
J16_0678A11: 衆生の。惡の外には。善といふ名だにも。更にある
J16_0678A12: へからす。戒行ををしへたる律も滅しなは。いづれ
J16_0678A13: の敎によりてか。止惡修善の心もあるへき。菩提心
J16_0678A14: をとける經もしさきだちて滅せは。いづれの經によ
J16_0678A15: りてか。菩提心をもおこすべき。このことはりを。
J16_0678A16: しれる人も世になけれは。ならひて知べき道もな
J16_0678A17: し。故に定散のいろどりは。みなうせはてたる。白
J16_0678B18: 木の念佛。六字の名號ばかり。世には住すべきな
J16_0678B19: り。そのとき聞て一念せん者。みなまさに往生すへ
J16_0678B20: しととけり。この機の一念十念して往生するは。佛
J16_0678B21: 法のほかなる人の。たた白木の名號の力にて。往生
J16_0678B22: すへきなり。しかるに當時は大小の經論もさかりな
J16_0678B23: れは。かの時の衆生には。事の外にまされる機なり
J16_0678B24: と。いふ人もあれども。下根の我等は。三寳滅盡の
J16_0678B25: 時の人にかはる事なく。世は猶佛法流布の世なれと
J16_0678B26: も。身はひとり。三學無分の機也。大小の經論あれ
J16_0678B27: とも。つとめ學せんとおもふ志もなし。かかる無道
J16_0678B28: 心の機は。佛法にあへる甲斐もなき身なり。三寳滅
J16_0678B29: 盡の世ならは。力およはぬかたもあるへし。佛法流
J16_0678B30: 布の世に生ながら。戒をもたもたず。定惠をも修行
J16_0678B31: せざるにこそ。機のつたなく。道心なき程もあらは
J16_0678B32: れぬれ。かかるをろかなる身ながら。南無阿彌陀佛
J16_0678B33: と唱る所に。佛の願力ことことく圓滿する故に。こ
J16_0678B34: こが白木の念佛のかたじけなきにてはあるなり。機

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