浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0678A01: | トモタノムトハサハアリトモイカヤウニモアレ捨 |
J16_0678A02: | ハセジナド賴ムナリ千載集ニ式子内親王サリトモ |
J16_0678A03: | トタノムココロハ神サヒテ久シクナリヌカモノ |
J16_0678A04: | ミツカキ●轉敎口稱ハ敎ヲカヘテ知識自口稱シテ |
J16_0678A05: | 彼ヲシテ亦唱ヘシムルナリ●サカシキハ日本紀ニ |
J16_0678A06: | 賢ノ字也●兆載僧祇ハミナ數ノ多キナリ上ニ見エ |
J16_0678A07: | タリ |
J16_0678A08: | 又大經の。三寶滅盡の時の念佛も。白木の念佛なり。 |
J16_0678A09: | その故は。大小乘の經律論。みな龍宮におさまり。 |
J16_0678A10: | 三寶ことことく滅しなん。閻浮提には。唯冥冥たる |
J16_0678A11: | 衆生の。惡の外には。善といふ名だにも。更にある |
J16_0678A12: | へからす。戒行ををしへたる律も滅しなは。いづれ |
J16_0678A13: | の敎によりてか。止惡修善の心もあるへき。菩提心 |
J16_0678A14: | をとける經もしさきだちて滅せは。いづれの經によ |
J16_0678A15: | りてか。菩提心をもおこすべき。このことはりを。 |
J16_0678A16: | しれる人も世になけれは。ならひて知べき道もな |
J16_0678A17: | し。故に定散のいろどりは。みなうせはてたる。白 |
J16_0678B18: | 木の念佛。六字の名號ばかり。世には住すべきな |
J16_0678B19: | り。そのとき聞て一念せん者。みなまさに往生すへ |
J16_0678B20: | しととけり。この機の一念十念して往生するは。佛 |
J16_0678B21: | 法のほかなる人の。たた白木の名號の力にて。往生 |
J16_0678B22: | すへきなり。しかるに當時は大小の經論もさかりな |
J16_0678B23: | れは。かの時の衆生には。事の外にまされる機なり |
J16_0678B24: | と。いふ人もあれども。下根の我等は。三寳滅盡の |
J16_0678B25: | 時の人にかはる事なく。世は猶佛法流布の世なれと |
J16_0678B26: | も。身はひとり。三學無分の機也。大小の經論あれ |
J16_0678B27: | とも。つとめ學せんとおもふ志もなし。かかる無道 |
J16_0678B28: | 心の機は。佛法にあへる甲斐もなき身なり。三寳滅 |
J16_0678B29: | 盡の世ならは。力およはぬかたもあるへし。佛法流 |
J16_0678B30: | 布の世に生ながら。戒をもたもたず。定惠をも修行 |
J16_0678B31: | せざるにこそ。機のつたなく。道心なき程もあらは |
J16_0678B32: | れぬれ。かかるをろかなる身ながら。南無阿彌陀佛 |
J16_0678B33: | と唱る所に。佛の願力ことことく圓滿する故に。こ |
J16_0678B34: | こが白木の念佛のかたじけなきにてはあるなり。機 |