浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0627A01: | 具したてまつる。八月一日鎌倉をたち給けり。律師 |
J16_0627A02: | 飯山へうつり給しのちは。森の入道尊崇いよいよふ |
J16_0627A03: | かく。歸敬他事なかりき。しかるに同年仲冬。風痾 |
J16_0627A04: | にはかにをかす。病床に筆をとりて。身の一期の事 |
J16_0627A05: | をしるされけり。これを〓中吟となづく。そのこと |
J16_0627A06: | ばにいはく。 |
J16_0627A07: | ●森入道西阿ハ東鑑ニハ毛利トアリ考系圖森有二家大江音人右衛門督 千古伊豫守 維時中納言 重光左京大夫 匡衡彈正少弼 擧周大學頭 成衡信乃守 匡房權中納言 維光式部少輔 廣元大膳大夫法名覺阿季光左近將監從五位藏人法名西阿●實成房ハ律師ノ門弟ナリ宗派ニ擧タリ●相摸國飯山ハ大住郡也日向山ノ東北一里ハカリナリ大山ニ近シ |
J16_0627A08: | ●此入道西阿ハ三浦泰村カ亂ニ一味シテ腹ヲ切ケ |
J16_0627A09: | ルカ三浦兄弟及入道以下九人ヲ勸メテ法事讚ヲ行 |
J16_0627A10: | ヒテ最後ノツトメトシ常ニハ專修念佛ヲ事トセシ |
J16_0627A11: | 者ナリ東鑑ト武家ノ部ニ注セリ●祕計ハ穩密ノハカ |
J16_0627A12: | ラヒナリ史記陳丞相世家云高帝用陳平奇計使 |
J16_0627B13: | 單于閼氏圍以得開高帝既出其計祕世莫得 |
J16_0627B14: | 聞●配所ハ奧州粟津耶麻郡ナリ實成房師命ヲ受 |
J16_0627B15: | テ彼地ニ下リ勝地ヲ相シテ堂舍ヲ搆エ寬師ノ遺骨 |
J16_0627B16: | ヲ〓メ名テ叶山願成寺ト號シテ今時ハ知恩院ノ末 |
J16_0627B17: | 寺タリ●〓旅寓也韻會客中吟詠ナレハ〓中吟ト云ナ |
J16_0627B18: | リ |
J16_0627B19: | ●泰村ニ一味トハ西阿カ妻ハ泰村カ妹ナレハナリ |
J16_0627B20: | 我きく。達磨和尚は。配所のくさむらに跡をのこし。 |
J16_0627B21: | 慈恩大師は。穢土のいほりに名をととむ。ひとりは |
J16_0627B22: | 佛心宗の根源。ひとりは法相宗の高祖なり。大國な |
J16_0627B23: | をしかり。いはんや邊州をや。上古又かくのことし。 |
J16_0627B24: | いはんや末代をや苦界やすからす。浮生ゆめのことし。 |
J16_0627B25: | たた聖衆の來迎をのぞむ。更に有爲の遷變をいたま |
J16_0627B26: | ずとて。一首を詠じたまふ |
J16_0627B27: | みなをよふ聲すむやとにいる月は |
J16_0627B28: | 雲もかすみもさへはこそあらめ |
J16_0627B29: | ●明雲座主配流ノ時ノ述懷ニ云大唐ニハ慈恩大師 |