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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0604A01: ●廣隆寺ハ太秦ナリ來迎房今尚遺跡ヲ存スミナ寺
J16_0604A02: 院ノ中ニ見エタリ
J16_0604A03: 翌年安貞二年也正月廿五日の曉更に。西山の粟生野の幸
J16_0604A04: 阿彌陀佛のもとにわたしたてまつりて荼毘をなす
J16_0604A05: に。紫雲そらにみち。異香もともはなはだし。諸人
J16_0604A06: 渴仰のおもひいよいよ切なり。荼毘所の西にあたり
J16_0604A07: て。もとはひとつ。すゑは三またなる松あり。紫雲
J16_0604A08: 彼松にかかりて。みどりをかくすほどなりけり。紫
J16_0604A09: 雲の松となづけていまにあり。かの荼毘所のあとに
J16_0604A10: は堂をたてて。御墓堂と號して念佛を修す。いまの
J16_0604A11: 光明寺これなり。
J16_0604A12: ●粟生野ハ山城國乙訓郡也●幸阿未考
J16_0604A13: 畫圖
J16_0604A14: ●光明寺縁起云安貞二年正月廿日夜戌ノ刻ハカリ
J16_0604A15: ニ來迎坊シハシカ程地震ノ如ク動テ數道光窓ヲ射
J16_0604A16: ケレハ圓空月ノ出給フニヤト指出テ見レトモ東ニ
J16_0604A17: 月シロノ山モナクテ上人ノ棺槨ヨリ放テル光ニテ
J16_0604B18: ソ有ケル其光ノ及トコロヲ追求ケレハ午未ノ方ニ
J16_0604B19: アタリシ程ニ粟生野ノ幸阿彌陀佛ノ許ニ訪ヒユキ
J16_0604B20: ヌ幸阿モ今夜靈光ヲ拜シケルカ草菴ノ庭上晝ノ如
J16_0604B21: クカカヤキシナト語リテ互ニ隨喜感涙シキヤカテ
J16_0604B22: 遺弟等ニ事ノヨシヲ觸テ同廿五日ニ廣隆寺ヨリ棺
J16_0604B23: 槨ヲ移シ奉リ栴檀ノ煙トソナシ申セリ時ニ紫雲虚
J16_0604B24: 空ニミチ異香寺内ニ熏シニケルトソ略書荼毘ハ梵語
J16_0604B25: ナリ此方ニハ焚燒ト云テ火葬スルヲ云ナリ要覽等
J16_0604B26: 本ニテ僧ヲ火葬スル事ハ元興寺ノ道昭ニ始レリ
J16_0604B27: 代實錄等トソ●紫雲ノ松今時猶存シテ佛殿ノ前ニアリ
J16_0604B28: ●縁起云ヤウヤク煙消テ寒灰トナリニケレハ御骨
J16_0604B29: ヲトリ靑瓷ニ收テ念佛三昧院ニシテ七日御骨ヲ供
J16_0604B30: 養シ奉リキ法蓮房善惠房相議シテ彼芳骨ヲ二分ト
J16_0604B31: ナシテ一分ハ遺弟等ニ配分シ一分ハ本瓷ニ盛テ當
J16_0604B32: 山ニ收奉リ石塔ヲ築キ廟堂ヲイトナミテ雨露ヲ遮
J16_0604B33: リヌ盛テ御骨ヲ於朱唐櫃一合今現ニ在東山知恩院寳藏ニ其後門弟沙汰トシテ一宇
J16_0604B34: ノ影堂ヲ建立シテ船中ノ摸像ヲ安置シ奉ル畧書ト具

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