浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0589A01: | 覽の後は。ひとへに在世の誹謗をくひ。ふかく上人 |
J16_0589A02: | の勸化を信じて。こころを金池のなみによせ。いま |
J16_0589A03: | はただ畢命を期とせんばかりなりとて。專修專念の |
J16_0589A04: | 行をこたりなく。念佛往生のいとなみ他事なかりし |
J16_0589A05: | かはそのきこえ都鄙にあまぬく。往生をこひねがふ |
J16_0589A06: | 輩たづねいたらずといふ事なかりき。承久三年のこ |
J16_0589A07: | ろ。但馬宮より念佛往生の事御尋ありしには。要文 |
J16_0589A08: | をあつめて。こまかに注申されき。 |
J16_0589A09: | ●宗匠ハ第十五卷ニ見エタリ●伹馬宮ハ雅成親王 |
J16_0589A10: | 也後鳥羽院第二御子母ハ修明門院ナリ |
J16_0589A11: | 又散心念佛の事。後鳥羽院遠所の御所より。西林院 |
J16_0589A12: | の僧正承圓につけて。仰下されけり。嘉祿二年正月 |
J16_0589A13: | 十五日の御書云。六廻の春を迎といへとも。いまだ |
J16_0589A14: | 一身の愁をなぐさめす。前世の惡業ちから及とこ |
J16_0589A15: | ろにあらす。しかるをむなしく日月ををくりて。出 |
J16_0589A16: | 離の行を决せす。止觀弘决等を披見し候にも。三諦 |
J16_0589A17: | 圓融の義をしらずは。無始の惡業のぞきがたく候歟。 |
J16_0589B18: | 自性空の理を心にかけずは。散心念佛ばかりもいか |
J16_0589B19: | がと覺候。三部經の中に。雙觀經などは。佛智不思 |
J16_0589B20: | 議智を信せさるものは。往生えがたきむね分明に候。 |
J16_0589B21: | 實相の理を心に思候へき樣如何。たとへば。一一の |
J16_0589B22: | 塵勞門を翻つれは。即是八萬四千の諸三昧門なり。 |
J16_0589B23: | 無明轉して明となる。氷とけて水となるがことくな |
J16_0589B24: | り。虚妄分別するとき。煩惱も力をは得事なれは。 |
J16_0589B25: | 自性むなしからんには。なににつきてか煩惱もある |
J16_0589B26: | べきと。まことに一念を發して。衆生と有縁の佛なれ |
J16_0589B27: | は。阿彌陀をとりわきて念佛せんは。かたがた六方諸 |
J16_0589B28: | 佛の證誠もむなしからす。三諦相即の義も具足して |
J16_0589B29: | よく候なんと覺候。都率の僧都覺超の。眞如觀と申 |
J16_0589B30: | 事にも。眞如を思樣とて候も。別に煩へしとは見え |
J16_0589B31: | 候はぬは。あまりいふかひなき淺智のあまり。かく |
J16_0589B32: | のことく存し候歟。隆聖房なとが申候しは。すこし |
J16_0589B33: | も我等が分におもひよるべき事とは申さず候き。其 |
J16_0589B34: | 間の子細不審きはまりなく候。實にも令申候分際 |