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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0589A01: 覽の後は。ひとへに在世の誹謗をくひ。ふかく上人
J16_0589A02: の勸化を信じて。こころを金池のなみによせ。いま
J16_0589A03: はただ畢命を期とせんばかりなりとて。專修專念の
J16_0589A04: 行をこたりなく。念佛往生のいとなみ他事なかりし
J16_0589A05: かはそのきこえ都鄙にあまぬく。往生をこひねがふ
J16_0589A06: 輩たづねいたらずといふ事なかりき。承久三年のこ
J16_0589A07: ろ。但馬宮より念佛往生の事御尋ありしには。要文
J16_0589A08: をあつめて。こまかに注申されき。
J16_0589A09: ●宗匠ハ第十五卷ニ見エタリ●伹馬宮ハ雅成親王
J16_0589A10: 也後鳥羽院第二御子母ハ修明門院ナリ
J16_0589A11: 又散心念佛の事。後鳥羽院遠所の御所より。西林院
J16_0589A12: の僧正承圓につけて。仰下されけり。嘉祿二年正月
J16_0589A13: 十五日の御書云。六廻の春を迎といへとも。いまだ
J16_0589A14: 一身の愁をなぐさめす。前世の惡業ちから及とこ
J16_0589A15: ろにあらす。しかるをむなしく日月ををくりて。出
J16_0589A16: 離の行を决せす。止觀弘决等を披見し候にも。三諦
J16_0589A17: 圓融の義をしらずは。無始の惡業のぞきがたく候歟。
J16_0589B18: 自性空の理を心にかけずは。散心念佛ばかりもいか
J16_0589B19: がと覺候。三部經の中に。雙觀經などは。佛智不思
J16_0589B20: 議智を信せさるものは。往生えがたきむね分明に候。
J16_0589B21: 實相の理を心に思候へき樣如何。たとへば。一一の
J16_0589B22: 塵勞門を翻つれは。即是八萬四千の諸三昧門なり。
J16_0589B23: 無明轉して明となる。氷とけて水となるがことくな
J16_0589B24: り。虚妄分別するとき。煩惱も力をは得事なれは。
J16_0589B25: 自性むなしからんには。なににつきてか煩惱もある
J16_0589B26: べきと。まことに一念を發して。衆生と有縁の佛なれ
J16_0589B27: は。阿彌陀をとりわきて念佛せんは。かたがた六方諸
J16_0589B28: 佛の證誠もむなしからす。三諦相即の義も具足して
J16_0589B29: よく候なんと覺候。都率の僧都覺超の。眞如觀と申
J16_0589B30: 事にも。眞如を思樣とて候も。別に煩へしとは見え
J16_0589B31: 候はぬは。あまりいふかひなき淺智のあまり。かく
J16_0589B32: のことく存し候歟。隆聖房なとが申候しは。すこし
J16_0589B33: も我等が分におもひよるべき事とは申さず候き。其
J16_0589B34: 間の子細不審きはまりなく候。實にも令申候分際

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