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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0577A01: 土宗の心は。觀經前後の諸大乘經をとりて。みなこ
J16_0577A02: とことく往生の行の中に攝す。なんぞ法華ひとりも
J16_0577A03: れんや。あまねく攝する心は。念佛に對してこれを
J16_0577A04: 廢せんためなりとの給けれは。使歸てこのよしをか
J16_0577A05: たるに。僧都口をとぢて。言説なかりけり。あると
J16_0577A06: き宜秋門の女院中宮にて。一品の宮を御懷姙の時。
J16_0577A07: 上人は御戒の師にめされ。公胤は御導師に參したま
J16_0577A08: ひて。參會し給事侍き。御受戒はてて。上人退出せ
J16_0577A09: んとし給に。預きたりてしはし候はせ給へ見參に入
J16_0577A10: 侍らんと。大貳の僧都御房申せと候と申あひた。暫
J16_0577A11: 伺候し給に。御經供養はてて。僧都きたりて。上人
J16_0577A12: には念佛の事をぞ尋申べけれとも。まづ大要なるに
J16_0577A13: つきて申侍なり。東大寺の戒の。四分律にて侍る事
J16_0577A14: は。如何なるいはれにて侍ぞと申さるるあひた。東
J16_0577A15: 大寺の戒の四分律にてあるべき道理を。具に釋した
J16_0577A16: まひたりしかば。僧都かへりて。勘て見給ひけるに。
J16_0577A17: 上人申さるるむね。すこしもたがはざりけれは。次
J16_0577B18: の日又參會の時。昨日仰られ侍し事ども。誠にさ候
J16_0577B19: けりとて。僧都以外に上人を歸敬したまひ。淨土の
J16_0577B20: 法門を談じ。かねて餘事にわたる。玄惲をくゑんく
J16_0577B21: ゐと。僧都申されけれはその宗の人の申侍しは。く
J16_0577B22: ゑんうんとこそ申侍しか。暉とかきてこそ。くゐと
J16_0577B23: はよみ侍れ。惲とかきては。うんとこそよみ侍れと
J16_0577B24: 上人直申されき。惣じてかくのこときのあやまりと
J16_0577B25: も。七箇條まて直されたりしかは。僧都退出ののち
J16_0577B26: 弟子にかたられけるは。今日法然房に對面して。七
J16_0577B27: 箇條の僻事を直されたり。常に見參せは。才學はつ
J16_0577B28: き侍なん。たつるところの淨土の法門。聖意に違す
J16_0577B29: べからす。あふぎて信ずへし。かの上人の義をそし
J16_0577B30: る。これおほきなるとがなりとて。即製作の决疑抄
J16_0577B31: 三卷をやかれにけり。誠に博覽のいたりゆゆしかり
J16_0577B32: けりとぞ。ほめ申されける。かの僧正は。顯密の達
J16_0577B33: 者にて。智行兼備せり。稱美の詞信をとるにたれる
J16_0577B34: ものなり。上人の中陰の唱導をのぞみつとめて。か

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