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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0576A01: 圓光大師行狀畵圖翼贊卷四十
J16_0576A02:
J16_0576A03: 事義
J16_0576A04:
J16_0576A05: 傳本第四十
J16_0576A06: 上人かたりての給はく。われ一向專念の義をたつる
J16_0576A07: に。人おほく謗じていはく。たとひ諸行を修すとい
J16_0576A08: ふとも。またく念佛往生のさはりとなるへからす。
J16_0576A09: なんぞあながちに一向專念の義をたつるや。これ偏
J16_0576A10: 執の義なりと。かくのごとく難をいたすは。此宗の
J16_0576A11: いはれをしらざるゆへなり。經には一向專念無量壽
J16_0576A12: 佛といひ。釋には一向專稱彌陀佛名と判せり。經釋
J16_0576A13: をはなれてわたくしに此義をたてば。誠にせむる所
J16_0576A14: のがれがたし。この難をいたさんとおもはば。先釋
J16_0576A15: 尊を謗じ。次に善導を謗ずへし。そのとがまたくわ
J16_0576A16: が身のうへにあらずとそ。おほせられける。一向專
J16_0576A17: 修の義を破する人。おほかりし中に。園城寺の長吏。
J16_0576A18: 大貳僧正公胤。いまだ大僧都なりしとき。上人を誹
J16_0576B19: 謗して。公胤が見たらん文を。法然房の見ぬはあり
J16_0576B20: とも。法然房の見たるらん事の。公胤が見ぬはよも
J16_0576B21: あらじと自歎して。淨土决疑抄三卷を記して。選擇
J16_0576B22: 集を破す。則學佛房を使者として上人の室にをくら
J16_0576B23: るるとき。上人かの使にむかひて。これをひらき見
J16_0576B24: 給に。上卷のはしめに法華に即往安樂の文あり。觀
J16_0576B25: 經に讀誦大乘の句あり讀誦の行。極樂に往生するに。
J16_0576B26: なにのさまたげかあらん。しかるに讀誦大乘の業を
J16_0576B27: 廢して。ただ念佛ばかりを付屬すといふ。これおほ
J16_0576B28: きなるあやまりなりといへり。この文を見たまひ
J16_0576B29: て。をはりを見ず。さしをきての給はく。此僧都こ
J16_0576B30: れほどの人とはおもはざりつ。無下の事なりけり。
J16_0576B31: 一宗をたつるとき。かれは廢立のむねを存ずらんと
J16_0576B32: おもはるへし。しかるに法華をもて。觀經往生の行
J16_0576B33: にいれらるる事。宗義の廢立をわするるに似たり。
J16_0576B34: もしよき學生ならは。觀經はこれ爾前の敎なり。か
J16_0576B35: の中に法華を攝すべからすとぞ難ぜらるへき。今淨

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