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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0558A01: 聖衆來迎即向看病人説
J16_0558A02: 廿日の巳時に。坊のうへに紫雲そびく。中に圓形の
J16_0558A03: 雲あり。その色五色にして圖繪の佛の圓光のごと
J16_0558A04: し。路次往反の人處處にしてこれを見る。弟子等申
J16_0558A05: さく。このうへに紫雲あり。御往生のちかづき給へ
J16_0558A06: るかと。上人の給はく。あはれなるかなや。わが往
J16_0558A07: 生は一切衆生のためなり。念佛の信をとらしめんが
J16_0558A08: ために瑞相現ずるなりと。又おなじき日の未の時に
J16_0558A09: いたりて。空をみあげて。目しばらくもまじろきた
J16_0558A10: まはざる事五六返ばかりなり。看病の人人あやしみ
J16_0558A11: て。佛の來給へるかとたづね申せば。然なりとこた
J16_0558A12: へ給。又廿四日の午時に。紫雲おほきにたなびく。
J16_0558A13: 西山の水の尾の峰に。すみやくともがら。十餘人こ
J16_0558A14: れをみて來てつげ申。廣隆寺より下向しける禪尼
J16_0558A15: も。途中にしてこれをみて。たづねきたりてこのよ
J16_0558A16: しを申す。見聞の諸人隨喜せずといふ事なし。
J16_0558A17: ●西山水尾愛宕山ノ西南ノ麓ナリ●廣隆寺ハ山城國葛野郡ニア
J16_0558B18: リ此寺ニ七名アリ一峰岡二秦公三桂林四香楓五三概六太秦七廣隆ナリ此地ハ秦川勝ノ領地ナリシヲ聖德太子假宮ヲ營テ間往還シ給フ楓野ノ別宮是ナリ其後推古天皇十五年ニ百濟入法師ヲシテ楓野蜂岡寺ヲ造シメ同廾九年蜂岡寺又云廣隆寺並宮賜秦造川勝
J16_0558B19: 畫圖
J16_0558B20: ●江州葦浦觀音寺紫雲彌陀之縁起尊像及ヒ縁起今尚現在ス
J16_0558B21: 山門東塔北谷安居院本房竹林院惠心先德自筆
J16_0558B22: 彌陀尊像事
J16_0558B23: 夫彼尊ハ惠心先德臨終佛ノタメ佛壇ノ壁ニ圖畫シ
J16_0558B24: 給フ靈像ナリ爰法然上人渴仰ノ餘リ我末期ノ時カ
J16_0558B25: ナラス此尊ニ奇瑞有ヘシト安居院聖覺法印ニ誓
J16_0558B26: 約シ給ケリ或時カノ佛前ニ紫雲靉靆トシテ消ヤラ
J16_0558B27: ス聖覺コレヲ見テ奇異ノ思ヲナシ舊約ヲ思出シ
J16_0558B28: テ上人サテハ入滅シ給ニヤトテ燒香敬禮シケルニ
J16_0558B29: 時ヲウツサス入滅ノヨシ告來レリ是ヨリ新テ紫
J16_0558B30: 雲ノ阿彌陀ト云則其所ヲ紫雲ノ間トモ云傳ヘケリ
J16_0558B31: ト云云其ノ破損ヲ恐テ一對三軸ニナシテ安置シ晝夜稱念ノ所トス後ニ叡覽アテ紫雲ノ阿彌陀ト宸翰ヲ染ラレケルトアリ

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