ウィンドウを閉じる

J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0525A01: たがはん。又いとふといへとも存するは人の身な
J16_0525A02: り。おしむといへとも死するは人のいのちなり。な
J16_0525A03: んぞかならずしもところによらんや。しかのみなら
J16_0525A04: す念佛の興行。洛陽にして年ひさし。邊鄙におもむ
J16_0525A05: きて。田夫野人をすすめん事。年來の本意なり。し
J16_0525A06: かれとも時いたらずして。素意いまだはたさず。い
J16_0525A07: ま事の縁によりて年來の本意をとげん事。すこぶる
J16_0525A08: 朝恩ともいふへし。此法の弘通は。人はととめんと
J16_0525A09: すとも。法さらにとどまるべからす。諸佛濟度のち
J16_0525A10: かひふかく。冥衆護持の約ねんごろなり。しかれは
J16_0525A11: なんぞ世間の機嫌をはばかりて。經釋の素意をかく
J16_0525A12: すべきや。ただしいたむところは。源空か興する淨
J16_0525A13: 土の法門は。濁世末代の衆生の。决定出離の要道な
J16_0525A14: るがゆへに。常隨守護の神祗冥道。さためて無道の
J16_0525A15: 障難をとがめたまはんか。命あらんともがら。因果
J16_0525A16: のむなしからざる事をおもひあはすへし。因縁つき
J16_0525A17: ずはなんぞ又今生の再會なからんやとそおほせられ
J16_0525B18: ける。
J16_0525B19: ●八旬トハ十日ヲ旬ト云又十年ヲ一旬ト云師古曰
J16_0525B20: 滿歳若十日之一旬八旬ハ八十也●洛陽トハ漢高
J16_0525B21: 祖雍州ニ都シテ長安ト云後漢光武東ニ移テ河洛ニ
J16_0525B22: 都ス是ヲ洛陽ト云帝王編年記云延曆十二年正月十
J16_0525B23: 五日始造平安城東京愛宕ノ郡又謂左京唐名洛陽
J16_0525B24: 西京葛野郡又謂右京唐名長安南北一千七百五十
J16_0525B25: 三丈除大路小路東西一千五百八十丈除大路小
J16_0525B26: 通シテ計ル東西兩京●田夫野人トハ庶人往役曰夫野鄙也
J16_0525B27: ミナ下賤ノ愚人ヲ云涅槃經六云田夫種植稻糓
J16_0525B28: 耘除䅎稗大論ニ愚人ノ鹽美ナリト聞テ多食ヒシ
J16_0525B29: ヲ田舍人トイヘリ又作田父潘岳賦云談話不過
J16_0525B30: 農夫田父之客呂氏春秋ニ野人芹ヲ美也トシテ天
J16_0525B31: 子ニ獻セントス衆人ミナ愚ナリトイヘリト列子ニ
J16_0525B32: 此事ヲ擧テ田夫ト云云白氏文集十四ニ不如村婦知
J16_0525B33: 時節解爲田夫秋擣衣孟子ノ滕文公ニ無君
J16_0525B34: 子莫治野人無野人莫養君子大經云市里

ウィンドウを閉じる