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J2310 円光大師行状画図翼賛 円智・義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0509A01: ずば。行として成就せすといふ事なし。願として圓
J16_0509A02: 滿せずといふことなし。しかるをわれら或は四重を
J16_0509A03: をかし。あるひは十惡を行ず。かれもをかしこれも
J16_0509A04: 行す。一人としてまことの戒行を具したる者はな
J16_0509A05: し。諸惡莫作諸善奉行は。三世の諸佛の通戒也。善
J16_0509A06: を修するものは善趣の報をえ。惡を行ずる者は惡道
J16_0509A07: の果を感ずといふ。この因果の道理をきけどもきか
J16_0509A08: ざるがことし。はじめていふにあたはす。しかれど
J16_0509A09: も分にしたがひて惡業をとどめよ。縁にふれて念佛
J16_0509A10: を行し。往生を期すへし。惡人をすてられずば。善
J16_0509A11: 人なんぞきらはん。つみをおそるるは本願をうたが
J16_0509A12: ふと。この宗にまたく存ぜざるところ也。次に一念
J16_0509A13: 十念によりて。かのくにに往生すといふは。釋尊の
J16_0509A14: 金言なり。觀經のあきらかなる文なり。善導和尚の
J16_0509A15: 釋にいはく。下至十聲等。定得往生。乃至一念無有
J16_0509A16: 疑心。故名深心といへり。又いはく。行住座臥。不
J16_0509A17: 問時節久近。念念不捨者是名正定之業。順彼佛願故
J16_0509B18: といへり。しかれは信を一念にむまるととりて。行
J16_0509B19: をは一形にはげむへしとすすむる也。彌陀の本願を
J16_0509B20: 信じて念佛の功をつもり。運心年ひさしくは。なん
J16_0509B21: ぞ願力を信ぜずといふへきや。すべて薄地の凡夫。
J16_0509B22: 彌陀の淨土にむまれん事。他力にあらすはみな道た
J16_0509B23: えたるへき事也。
J16_0509B24: ●浮囊ハ今ノウキグツト云類ナルベシ涅槃經十一
J16_0509B25: ニヒトツノ皮囊アリコレヲ浮囊ト名ツク海ヲ渡者
J16_0509B26: 帶テ水波ニ浮ヘリ守コトヲロソカナレハ終ニ死ヲ
J16_0509B27: イタス持戒ノ人モ亦如此ト盂蘭盆新記云浮囊謂
J16_0509B28: 熟皮爲囊以鳥毛貫之或以氣吹之度海用之
J16_0509B29: ●菩薩處胎經ノ偈ニ彼犯罪ノ人鉢ニ滿ル油ヲ擎持
J16_0509B30: テ若一滴ヲ棄サハ死罪ニ入ン左右ニ伎樂ヲ作トモ
J16_0509B31: 死ヲ懼テ顧ス行者モ亦如此ト又涅槃經第二十
J16_0509B32: 三ニアリ●四重ハ殺盜婬妄ナリ又後四重ヲモ云
J16_0509B33: ナリ●諸惡莫作等トハ增一阿含ナリ●大經下云不
J16_0509B34: 肯爲善得善爲惡得惡又云開示生死善惡

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