浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0509A01: | ずば。行として成就せすといふ事なし。願として圓 |
J16_0509A02: | 滿せずといふことなし。しかるをわれら或は四重を |
J16_0509A03: | をかし。あるひは十惡を行ず。かれもをかしこれも |
J16_0509A04: | 行す。一人としてまことの戒行を具したる者はな |
J16_0509A05: | し。諸惡莫作諸善奉行は。三世の諸佛の通戒也。善 |
J16_0509A06: | を修するものは善趣の報をえ。惡を行ずる者は惡道 |
J16_0509A07: | の果を感ずといふ。この因果の道理をきけどもきか |
J16_0509A08: | ざるがことし。はじめていふにあたはす。しかれど |
J16_0509A09: | も分にしたがひて惡業をとどめよ。縁にふれて念佛 |
J16_0509A10: | を行し。往生を期すへし。惡人をすてられずば。善 |
J16_0509A11: | 人なんぞきらはん。つみをおそるるは本願をうたが |
J16_0509A12: | ふと。この宗にまたく存ぜざるところ也。次に一念 |
J16_0509A13: | 十念によりて。かのくにに往生すといふは。釋尊の |
J16_0509A14: | 金言なり。觀經のあきらかなる文なり。善導和尚の |
J16_0509A15: | 釋にいはく。下至十聲等。定得往生。乃至一念無有 |
J16_0509A16: | 疑心。故名深心といへり。又いはく。行住座臥。不 |
J16_0509A17: | 問時節久近。念念不捨者是名正定之業。順彼佛願故 |
J16_0509B18: | といへり。しかれは信を一念にむまるととりて。行 |
J16_0509B19: | をは一形にはげむへしとすすむる也。彌陀の本願を |
J16_0509B20: | 信じて念佛の功をつもり。運心年ひさしくは。なん |
J16_0509B21: | ぞ願力を信ぜずといふへきや。すべて薄地の凡夫。 |
J16_0509B22: | 彌陀の淨土にむまれん事。他力にあらすはみな道た |
J16_0509B23: | えたるへき事也。 |
J16_0509B24: | ●浮囊ハ今ノウキグツト云類ナルベシ涅槃經十一 |
J16_0509B25: | ニヒトツノ皮囊アリコレヲ浮囊ト名ツク海ヲ渡者 |
J16_0509B26: | 帶テ水波ニ浮ヘリ守コトヲロソカナレハ終ニ死ヲ |
J16_0509B27: | イタス持戒ノ人モ亦如此ト盂蘭盆新記云浮囊謂 |
J16_0509B28: | 熟皮爲囊以鳥毛貫之或以氣吹之度海用之 |
J16_0509B29: | ●菩薩處胎經ノ偈ニ彼犯罪ノ人鉢ニ滿ル油ヲ擎持 |
J16_0509B30: | テ若一滴ヲ棄サハ死罪ニ入ン左右ニ伎樂ヲ作トモ |
J16_0509B31: | 死ヲ懼テ顧ス行者モ亦如此ト又涅槃經第二十 |
J16_0509B32: | 三ニアリ●四重ハ殺盜婬妄ナリ又後四重ヲモ云 |
J16_0509B33: | ナリ●諸惡莫作等トハ增一阿含ナリ●大經下云不 |
J16_0509B34: | 肯爲善得善爲惡得惡又云開示生死善惡 |