浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0503A01: | 果。讀誦大乘。勸進行者也。九品はかの三福の業を |
J16_0503A02: | 開してその業因にあつ。つぶさには觀經に見えた |
J16_0503A03: | り。總じてこれをいへは。定散二善の中にもれたる |
J16_0503A04: | 往生の行はあるべからす。これによりて或はいづれ |
J16_0503A05: | にもあれ。ただ有縁の行におもむきて功をかさね |
J16_0503A06: | て。心のひかん法によりて行をはげまは。みなこと |
J16_0503A07: | ことく往生をとぐへし。さらにうたがひをなす事な |
J16_0503A08: | かれ。いましばらく自法につきてこれをいはば。ま |
J16_0503A09: | さにいま定善の觀門はかずかずにつらなりて十三あ |
J16_0503A10: | り。散善の業因はまちまちにわかれて九品あり。 |
J16_0503A11: | その定善の門にいらんとすれは。すなはち意馬あれ |
J16_0503A12: | て六塵の境にはす。かの散善の門にのぞまんとすれ |
J16_0503A13: | ば。又心猿あそんて十惡のえだにうつる。かれをし |
J16_0503A14: | づめんとすれとも得ず。これをとどめんとすれども |
J16_0503A15: | あたはず。いま下三品の業因を見れは。十惡五逆の |
J16_0503A16: | 衆生。臨終に善知識にあひて。一聲十聲阿彌陀佛 |
J16_0503A17: | の名號をとなへて往生すととかれたり。これなんぞ |
J16_0503B18: | われらが分にあらざらんや。かの釋の雄俊といひ |
J16_0503B19: | し人は。七度還俗の惡人なり。いのちをはりての |
J16_0503B20: | ち。獄卒閻魔の廳庭にゐてゆきて。南閻浮提第一の |
J16_0503B21: | 惡人。七度還俗の雄俊。ゐてまいりてはんべりと申 |
J16_0503B22: | ければ。雄俊申ていはく。われ在生の時。觀無量壽 |
J16_0503B23: | 經をみしかば。五逆の罪人阿彌陀ほとけの名號を。 |
J16_0503B24: | 十聲となへて極樂に往生すと。まさしくとかれた |
J16_0503B25: | り。われ七度還俗すといへとも。いまだ五逆をばつ |
J16_0503B26: | くらず。善報すくなしといへとも。念佛十聲にすぎ |
J16_0503B27: | たり。雄俊もし地獄におちは。三世の諸佛妄語のつ |
J16_0503B28: | みにおち給へしと高聲にさけびしかば。法王は理に |
J16_0503B29: | おれて。たまのかふりをかたふけてこれをおがみ。 |
J16_0503B30: | 彌陀はちかひによりて。金蓮にのせてむかへ給き。 |
J16_0503B31: | いはんや七度還俗にをよはざらんをや。いはんや一 |
J16_0503B32: | 形念佛せんをや。男女貴賤行住坐臥をえらはす。時 |
J16_0503B33: | 處諸縁を論ぜす。是を修するにかたからず。乃至臨 |
J16_0503B34: | 終に往生を願求するにそのたよりをえたりと。楞嚴 |