浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0395A01: | に稱我名號といふなり。念佛の外の一切の行は。こ |
J16_0395A02: | れ彌陀の本願にあらざるがゆへに。たとひ目出たき |
J16_0395A03: | 行なりといへとも。念佛にはをよばざるなり。大方 |
J16_0395A04: | 其國にむまれんとおもはんものは。その佛のちかひ |
J16_0395A05: | に隨ふべきなり。されば彌陀の淨土にむまれんとお |
J16_0395A06: | もはんものは。彌陀の誓願にしたがふべきなり。本 |
J16_0395A07: | 願の念佛と。本願にあらざる餘行と。さらにたくら |
J16_0395A08: | ふべからず。故に往生極樂のためには。念佛の行に |
J16_0395A09: | 過たるは候はずと申也。往生にあらざるみちには。 |
J16_0395A10: | 餘行又つかさどるかたあり。しかるに衆生の生死を |
J16_0395A11: | はなるるみち。佛のをしへさまさまにおほく候へと |
J16_0395A12: | も。このころの人の生死をはなれ。三界をいづる道 |
J16_0395A13: | は。ただ極樂に往生し候ばかりなり。このむね聖敎 |
J16_0395A14: | の大なることはりなり。次に極樂に往生するに。そ |
J16_0395A15: | の行やうやうにおほく候へとも。我等が往生せん |
J16_0395A16: | 事。念佛にあらすば。かなひがたく候なり。そのゆ |
J16_0395A17: | へは。念佛は佛の本願なるがゆへに。願力にすがり |
J16_0395B18: | て往生する事はやすし。されは詮ずるところ。極樂 |
J16_0395B19: | にあらすば。生死をはなるへからず。念佛にあらず |
J16_0395B20: | は。極樂へむまるべからざるものなり。ふかく此旨 |
J16_0395B21: | を信せさせ給て。一すぢに極樂をねがひ。一すぢに |
J16_0395B22: | 念佛して。此度必生死をはなれんとおぼしめすへき |
J16_0395B23: | なり。又一一の願のをはりに。もししからずは。正 |
J16_0395B24: | 覺をとらしとちかひたまへり。しかるに阿彌陀佛。 |
J16_0395B25: | ほとけになり給てよりごのかた。すてに十劫をへた |
J16_0395B26: | まへり。まさにしるべし誓願むなしからず。しかれ |
J16_0395B27: | は衆生の稱念するもの。一人もむなしからす。往生 |
J16_0395B28: | する事をう。もししからすば。たれか佛になり給へ |
J16_0395B29: | る事を信すへき。三寳滅盡の時なりといへとも。一 |
J16_0395B30: | 念すれはなを往生す。五逆深重の人なりといへと |
J16_0395B31: | も。十念すれば往生す。何况や三寳の世に生れて。 |
J16_0395B32: | 五逆をつくらざる我等。彌陀の名號を唱へんに。往 |
J16_0395B33: | 生うたがふべからず。今此願にあへる事は。實にこ |
J16_0395B34: | れおぼろけの縁にあらず。よくよくよろこびおぼし |